2012年03月07日

肺炎のイロハ・基礎疾患のある患者に発症した、急性経過の病態3

さて、お待ちかね(待ってる人も少ないでしょうが)、検査所見を見てみましょう。単位は省略させていただきます。
L:異常低値 H:異常高値

HT 34.3 L
HB 12.1 L
RBC 3.73 L
WBC 17.4 H
PLTS 28.6
SEG/NEUT 78.2 H
EOSIN 0.2
BASO 0.2
LYMPH 11.5 L
MONO 9.9
MCV 92
MCH 32.4
MCHC 35.3
TP 6.2 L
ALB 2.9 L
AST 24
ALT 20
LDH 198
ALP 259
G-GTP 51 H
CHE 181 L
LAP 106
T-BIL 0.50
D-BIL 0.14
A/G 0.88 L
NA 130 L
CL 96 L
K 4.1
UN 28.0 H
CRE 1.06
eGFR 54.0
CPK 477 H
CRP 28.72 HH
GLU 200 H

尿中肺炎球菌抗原 陰性
尿中レジオネラ抗原 陰性
インフルエンザA型、B型 いずれも陰性

喀痰培養検査
Streptococcus species (α) 3+
Haemophilus species 3+
Stomatococcus species 3+


目立つのは炎症所見の高値。血糖コントロールは入院時の随時で、HbA1cは6.6前後で推移していたようです。また、某科受診時に痰がとれていたため、培養の速報が出ていました。これが後になって、役に立ちましたね。


胸部レントゲン写真です。


120221CR1.jpg

120221CR2.jpg


右優位ですが、両側に斑状に分布する浸潤影。


さて、これまでの病歴、所見、検査結果から、診断をつけ、治療方針を定めなくてはなりません。Y先生はどうされたでしょうか。
そう難しくはないと思いますが、「しっかり根拠を示して診断、治療方針を定める」ことを意識しましょう。

肺炎ガイドラインスーパー簡単版を最初から読む

トップページへ

posted by 長尾大志 at 16:17 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。