心不全がありそうだ、となったときに、治療についてどう考えるか。
実は、急性心不全と慢性心不全とでは話が少し違ってきます。
急性心不全の場合、今起こっている症状をとらなくてはならない。
慢性心不全は、基本的に生命予後を改善させる「基礎治療」を行わなければならない。
根本的なスタンスが少し違うわけです。
もちろん、急性心不全の延長上に慢性心不全があるわけです。急性期であっても、慢性心不全の治療を開始する、ということに変わりはないのですが…。
一般内科医として心不全治療に当たるのは、どちらかと言いますと急性期が多いかと思いますので、誤解を恐れずにシンプルに申しますと、
うっ血所見があれば、利尿薬を少しずつ使いましょう。
ということです。
もちろん、浮腫がある、というだけでは甲状腺機能低下や低アルブミンなど、鑑別すべき疾患がいろいろとあります。他疾患の鑑別が可能で、先のFramingham基準を満たす、特にV音ギャロップや頸静脈の拡張が見られる場合、少量の利尿薬を使ってみて反応を見る、診断的治療を行ってみましょう、ということです。
実はFramingham基準の「大または小基準」に、
治療に反応して5日間で4.5kg以上の体重減少
という項目があります。
つまり利尿薬、あるいはARBなどを使ってみて、反応があれば心不全と診断できる、ということなのです。診断的治療、というやつですね。
うっ血所見、ということは、
前負荷が大きくなっていて、
後方不全になっていて、
全身臓器、あるいは肺に水分が余っている状態。
ですから、水分を絞り出す利尿薬を使う。
まあシンプルですね。
問題はここから。
特に拡張不全の状態においては、水分がものすごく余っているわけではなくても、うっ血を来すことがあり、その場合ドカンと利尿薬を使うと、却って脱水になってしまう、ですので「少しずつ」使う方が安全、ということになります。
また、長期予後、という点では、利尿薬(特にループ)のデータは必ずしもほめられたものではありません。
ですから、急性期だからといってガンガン利尿薬を使う、というのは、ちょっと違う。
とはいえ、まずは「心不全である」という診断ができなければ次に進みませんから、診断的治療から入るのは間違いではないと思うのです。尿量、体重チェックは忘れずに行いましょう。
心不全の確証が得られたら、次には本格治療です。ここで、各種エビデンスを考慮した治療を行います。
ああ心不全を最初から読む
2012年04月05日
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