私のような「非専門医」にとっては、とっても身近な存在であったジギタリスと利尿薬。一昔前には本当によくお世話になった、これらの薬に今、黄信号がともっています。
その理由はなんといっても、大規模臨床試験における「予後」が改善しなかった、というもの。ジギタリスは心筋の収縮力を上げて収縮不全を改善させ、利尿薬は前負荷を軽減し状態改善につながるのでは?という思いは打ち砕かれたのでありました。
昨今のエビデンス、という点から言いますと、利尿薬(特にループ系)には予後を改善させる、というデータに乏しい。で、ARB+サイアザイド少量、という合剤が花盛りで、こちらのデータを出さんと各社躍起になっているわけです。
いくつかデータは出ているようですが、合剤でも果たしてサイアザイドとの組み合わせがいいのか、Ca拮抗薬との組み合わせがいいのか、など、いろいろと考える余地はあり、まだこれで決定、という感じではないようです。
とはいえ、うっ血所見がある(特に急性期の)患者さんに一切利尿薬を使わない、というのはかなり勇気がいりますし、まだまだ現役で使われていくのでしょう。
強心薬、いわゆるジギタリスも、一時代が終わったかな、という印象です。
収縮不全の病態で、収縮力を上げる、理にかなっているように思うのですが、実際、短期的には症状改善につながるのですが、長期予後に関してのデータがちょっと…というわけで、最近(特に循環器科では)心房細動で心拍数が高い…という場合などをのぞいて、だんだんと使われなくなってきたようです。
これまでに書いてきたことについて、エビデンスといっても全て収縮不全のことで、拡張不全にはエビデンスが乏しいのが実情です。
収縮不全であっても、エビデンスは様々で、まだGold standardとか、これで治る、といったものはなく、いろいろな先生方が好き勝手(?)おっしゃっている印象です。
そんな中、パッと手出しできて、方針がかっちり定まっているのは虚血性心疾患であります。故に、若くてイキのいい先生は、
虚血→パッと治る→カッコイイ
それ以外→よくわからないし、そもそも治らない→興味なし
となってしまいがちなのですかねー。
ああ心不全を最初から読む
2012年04月07日
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