2012年04月07日

心不全の本格治療・ジギタリスと利尿薬

私のような「非専門医」にとっては、とっても身近な存在であったジギタリスと利尿薬。一昔前には本当によくお世話になった、これらの薬に今、黄信号がともっています。


その理由はなんといっても、大規模臨床試験における「予後」が改善しなかった、というもの。ジギタリスは心筋の収縮力を上げて収縮不全を改善させ、利尿薬は前負荷を軽減し状態改善につながるのでは?という思いは打ち砕かれたのでありました。



昨今のエビデンス、という点から言いますと、利尿薬(特にループ系)には予後を改善させる、というデータに乏しい。で、ARB+サイアザイド少量、という合剤が花盛りで、こちらのデータを出さんと各社躍起になっているわけです。

いくつかデータは出ているようですが、合剤でも果たしてサイアザイドとの組み合わせがいいのか、Ca拮抗薬との組み合わせがいいのか、など、いろいろと考える余地はあり、まだこれで決定、という感じではないようです。


とはいえ、うっ血所見がある(特に急性期の)患者さんに一切利尿薬を使わない、というのはかなり勇気がいりますし、まだまだ現役で使われていくのでしょう。


強心薬、いわゆるジギタリスも、一時代が終わったかな、という印象です。

収縮不全の病態で、収縮力を上げる、理にかなっているように思うのですが、実際、短期的には症状改善につながるのですが、長期予後に関してのデータがちょっと…というわけで、最近(特に循環器科では)心房細動で心拍数が高い…という場合などをのぞいて、だんだんと使われなくなってきたようです。



これまでに書いてきたことについて、エビデンスといっても全て収縮不全のことで、拡張不全にはエビデンスが乏しいのが実情です。


収縮不全であっても、エビデンスは様々で、まだGold standardとか、これで治る、といったものはなく、いろいろな先生方が好き勝手(?)おっしゃっている印象です。



そんな中、パッと手出しできて、方針がかっちり定まっているのは虚血性心疾患であります。故に、若くてイキのいい先生は、


虚血→パッと治る→カッコイイ

それ以外→よくわからないし、そもそも治らない→興味なし


となってしまいがちなのですかねー。


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posted by 長尾大志 at 21:14 | Comment(0) | ああ心不全
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