ここ1〜2年、極端な気候、異常気象と言われる状態が多く、疾患を発症されたり、調子を崩されたり、というケースが多く見受けられます。
温度や湿度、気圧などの「急な変化」は生体にとってストレスとなり、種々の変調の原因となるのです。
バイオウェザーという言葉もできているようです。
有名なところでは、気管支喘息。
そもそも喘息は季節の変わり目に発症、あるいは増悪しやすいことがよく知られています。春は花粉や黄砂、秋は夏に繁殖したダニの殻や糞、死骸が関係しているとされていますが、温度、湿度、気圧の変化が起こりやすい、という側面も見逃せません。
データとしてあるのは、前日と比較して平均気温が3〜5℃以上低下した日や、5時間以内に3℃以上気温が低下した日には、発作が起こりやすいというものです。
ということは、急な気温の低下が、リスクであるということですね。
ですから秋だけでなく春先でも、急に気温が下がるときなど、調子を崩される方が多いです。
また、秋や冬だと、最低気温が5℃以下になるときは発作が起きやすいといわれています。
湿度に関しては、乾燥が発作の誘因になります。喘息患者さんにとって、冬場のジョギングなどは(環境の観点からいいますと)、全く勧められないわけです。温水プールのスイミングであれば、暖かくて湿った空気を吸うことになりますから、喘息の方にとってはいい環境、ということになります。
運動で喘息が誘発されるメカニズムとして、呼吸数が増える結果急速に気道が(外気によって)冷やされ、乾燥する、というメカニズムが考えられています。結局のところ、温度と湿度なのです。
他に、台風や前線などのように、急に気圧が低くなると発作が起きやすい、ということも知られています。気象に関しては避けようがありませんが、早めの対処につなげられるよう、患者さんにしっかりと情報をお伝えしたいものですね。
2012年04月15日
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