2012年05月24日

胸部レントゲン道場14・縦隔陰影に注目する9・心陰影を見る

心陰影に関しては、何となくご存じの方も多いでしょう。
一応おさらいします。



右側が1弓と2弓。

左側が1弓、2弓、3弓、4弓とあります。


XP (57).JPG


各々、その線を形作る構造物は…


  • 右1弓(赤):SVC

  • 右2弓(緑):右房

  • 左1弓(青):大動脈弓

  • 左2弓(黄):肺動脈(主幹部)

  • 左3弓(紫):左房(左心耳)

  • 左4弓(紫):左室



ですね。
さて、この心陰影から得られる情報としては、大きく2つあります。


1つめは、

心胸比を計算することで、心拡大を評価できる

こと。


XP (58).JPG


心胸比とは、心臓の最大幅(図の緑矢印)を胸郭の最大幅(図の青矢印)で割ったものです。50%以上になる場合、心拡大と解釈するのですが…。



XP (59).jpg


上の2症例、一見どちらも同じように心拡大、ですが、じゃあどちらも心拡大→心不全か、といわれると、ちょっと違うのですね。


XP (60).jpg


心胸比は、どちらも拡大?しています。でも、


XP (61).jpg


心臓の「張り」が違う。

本物の?心不全だと、右のように上方向にも拡大することが多いです。


XP (62).jpg


左は、ぺったんこな印象です。これは肺の線維化のため、横隔膜挙上が生じ、心臓が回転して寝てきた(過膨張時に生じる滴状心の逆ですね)ことで見かけの心胸比増大が起こっていると考えられます。図中、赤い丸のあたりが元々の心臓の位置なのです。

ここはだまされないようにしましょう。



心陰影から得られる情報、2つめは

心陰影とのシルエット・サインを評価することで、肺のどの区域に病変があるかを推測する。

こと。いよいよ盛り上がってきましたね(私だけ?)。明日以降、いよいよシルエット・サインを取り上げます。うまく説明できるでしょうか…。


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posted by 長尾大志 at 16:13 | Comment(0) | 胸部X線道場
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