2012年06月02日

ABPC/SBTとVCMの併用…

とあるところで受けたコンサルト。


「入院中の方が昨日の血液検査で炎症所見の再燃を認めました。胸部CTを撮りますと、右下葉に肺炎像あり、誤嚥の可能性を(放射線科医に)示唆されております。先日の喀痰検査でMRSA2+であり、誤嚥とMRSAの両方の可能性を考えて、昨日からABPC/SBTとVCMを開始しました。今後の抗生剤を含めた加療方針についてご教授いただきたく…」


この文章を見て、違和感を覚えない方は、だいぶ問題あり、です。


  • 肺炎かどうか、炎症所見と胸部CTのみで判断。

  • 喀痰の評価が成されていない。

  • MRSAが原因菌たり得るかどうか、検証されていない。

  • そして、ABPC/SBTとVCMの併用…。




おそらくその先生の中では、
誤嚥=ABPC/SBT
MRSA=VCM

という方程式があるのでしょう。


それで、この2つの病態が並立しているので、併用だと。
病名や病態と薬を1対1対応で考える習慣があると、こうなるのかも。


ローテーターではない方なので、これまでにもそのようにやってこられ、特に問題はなかったと思われます。


一体どこから話を始めたらよいのか…かなり困りました。
皆さんなら、どのように話を切り出されますか?

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posted by 長尾大志 at 19:54 | Comment(2) | 今日の症例
この記事へのコメント
先生にダメだしされるであろう医者の一人です。
誤嚥性肺炎でMRSAがP3の性状の喀痰から出た場合、治療はどうなるのでしょうか?
グラム陰性菌カバーを外せないのかと思っていましたが…
Posted by 勉強不足 at 2014年05月09日 14:49
いえ先生、この事例ではそもそも肺炎の診断から問題でした。喀痰の性状を確認されず、MRSAは定着と考えられました。
ですからきちんと肺炎の診断をされて膿性痰でMRSAの貪食像が見られた、というのとは訳が違います。ただその場合、グラム陰性菌が痰に見られないとなると、どこまでカバーするのか検討が必要かもしれません。
Posted by 長尾 大志 at 2014年05月10日 00:19
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