昔の言葉で、男性(≒外に出て働く人)が外に出ると、そこには多くの敵がある、世の中に出ると苦労が多い、というような意味だと思います。現代においてはまず「男性」と限定している点で状況が異なりますけど、意味合いはご理解いただけるでしょうか。
まあ、誰しも世の中に出れば、多くの敵、不都合、困ったことにあうものだ、位の意味ですね。
で、その古い言い回しを持ち出して何が言いたいかというと、外界は敵だらけだ、ということ。
私たちの周りにある空気は、実に多くの有害な粒子、物質を含んでおります。病原微生物、アレルゲン、発癌物質、有機粉塵、無機粉塵などなど…。
男子に限らず何人(なんびと)も、呼吸をしていると、そのような多くの有害粒子に肺胞がさらされ、そのままではあっという間に病気になってしまいそうですね。
もちろん現実にはそんなことはなく、きちんと有害物質を排除するフィルターが何重にも張り巡らされているんですよ。
ちょっと横道ですが、この防衛機構のお話をしましょう。
まず最初の防衛システムは、鼻です。
「口呼吸してると風邪を引きやすい」みたいなことを、聞いたことがおありかもしれません。鼻には非常にすぐれた防衛システムがあるのです。
鼻の構造を思い出してください(これって、耳鼻科ブログだったっけ?と思わないように)。鼻は入り口(鼻腔)こそ狭いですが、奥に入ると大きな空間がありますね。これ、無駄に大きな空間に見えるのですが、ちゃんと意味があるのです。
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鼻腔には鼻甲介という盛り上がり?があり、実際はそれほど広々とした「がらんどう」のような空間ではありません。
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この鼻甲介と、わんさか生えている(私は生えてない!と主張する方もおられますが、奥にはわんさか生えています!)鼻毛によって、鼻腔から吸入された空気は乱流となり、渦を作ります。
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渦を作ると、吸入した空気に含まれている、ある程度以上の大きさの粒子(10μm以上と言われています)は、遠心力で飛ばされ、鼻毛や周囲の粘膜に付着して除去されるのです(蛇足ですが、これを粘液で絡め取って固めたものが、鼻ク○ですね)。
いわゆるダ○ソンのサイクロン式掃除機も、まあ同じ理屈ですね。遠心力で吹き飛ばす、と考えていただくと、わかりやすいでしょう。
長くなったので、(レントゲンには一切触れないまま…汗)明日に続きます。
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