鼻という優秀なフィルターによって、ある程度の大きさ以上の粒子はとらえられますが、径の小さな粒子は下気道に入ってきます。
しかしそれらの粒子も、巧みな除去システムによって排除されるのです。
気管〜気管支にかけて、気道はどんどん枝分かれし、どんどん細くなっていきます。
気管:径15mm〜20mm
↓
(左右の)主気管支
↓
気管支
↓
どんどん分岐して…(15〜20回程度)
↓
細気管支(さいきかんし):径0.5mm
↓
肺胞
気管は直径が15mm〜20mm程度ですが、だんだん枝分かれをするに従って細くなり、肺胞の手前、細気管支になると0.5mmと、肉眼で見えるか見えないかのぎりぎりの細さになります。
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図がひどくて申し訳ありません。成書を参照してください。「見える」だったら4頁です。
太い気管支は枝分かれをするごとに曲がりくねりますから、気道内に進入した粒子のうち、ある程度の大きさの粒子はそういう、曲がり角で引っかかっていきます。
そして、小さい粒子ほど奥へ進入。細気管支レベルになると、数μm程度の大きさの粒子が付着しやすいようです。たとえば気管支喘息を引き起こすハウスダスト(ダニの死骸や糞のかけら)は、このぐらいの大きさ、といわれていますし、(喘息反応が起こっている細気管支に到達させたい)吸入ステロイドの粒子も、このぐらいの大きさになるように調整されているんですね。
そしてさらに小さな粒子になると肺胞に進入。ものすごく小さな粒子(ナノ粒子クラス)になると、大半は特にどこにも引っかかることなくそのまま出て行くのですが、1μm内外の粒子、また、少量のナノ粒子は肺胞内に沈着します。
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Q:肺胞内に沈着するような小さな粒子は、どうやって排除されるのでしょうか。
A:肺胞内を巡回するマクロファージによって貪食され、お掃除されます。
Q:細気管支レベルの掃除はどうやって行われているのでしょう。
A:数μmの粒子は気管支粘膜面を覆う粘液に絡め取られ、粘膜面にある線毛の運動によって、口方向へ送り出されます。
Q:太めの気管支になってくると、そもそも少し大きな粒子が付着する上に、あちこちから集まってきたゴミが集積して、大きな「痰」を形成してきますから、線毛運動だけでは排除が困難になってきます。では、どうやって排除しているのでしょうか。
A:「咳」をして、痰を喀出するわけです。
まとめると、
太めの気管支 径数μm〜10μmの粒子が沈着、咳と線毛運動で掃除
↓
どんどん分岐して…(15〜20回程度)
↓
細気管支(さいきかんし)径数μmの粒子が沈着、線毛運動で掃除
↓
肺胞 径1μm内外(2μm未満)の粒子が沈着、マクロファージによる貪食で掃除
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うまい具合に掃除当番の分担がなされているなあ、と感心します。
*マクロファージはあまり大きい粒子になると貪食できない。
*細気管支は咳をするとぺちゃんこになってしまい、咳ではうまく掃除できない。
各自の事情に応じて、最適なところを分担しているわけですね。
Aさんは喘息でホコリが舞うとしんどいから、トイレ掃除、
Bさんは力自慢だから家具をどける係、
Cさんは水仕事をすると手荒れがひどく、掃除機係、
Dさんは冷たい水が平気なので、拭き掃除。
みたいな感じでしょうか(たとえが無理やり?)。
これで、何となく話の流れが見えてきたでしょうか。
来週に続きます。
肺の防衛機構を最初から読む
昨日から面白い言葉がヽ(^o^)丿
日本代表が大量点で余裕でブログチェックですわ(^^♪
お子様と観戦してますか?
我が家は解説に突っ込み入れながら楽しんでます
妹たちはブーイングでしたが…。