また、書籍化の際にはお目にかかれるかも…。
総論としての残りは、陰影の辺縁や性状について。
最初に述べたように、病変部が大きくなっているのか、小さくなっているのか、大きさが変わらないのか。これは、病変部の性質を推測する手がかりになります。
大きい病変であれば、縦隔や横隔膜を動かすので、まずはそこを見るのですが、結節影や浸潤影、といった、比較的小さな病変について、病変部の伸び縮み?を推測する方法があります。
それは、辺縁を見ること。
辺縁が外向きに凸の陰影、これは、大きくなろうという力を感じます。
-thumbnail2.jpg)
- 腫瘍
- 結核など、腫瘤形成性感染症
などが鑑別に上がります。
逆に、辺縁が内向きに凸の陰影、これは、病変が縮んで周囲を引っ張り込んでいる様子を思わせます。
-thumbnail2.jpg)
- 無気肺
- 線維化病変
- 肺切除術後
といった病変(状態)は、縮む性質を持っています。
一方、辺縁がまっすぐで大きさに変動がない病変は、
-thumbnail2.jpg)
- 肺炎(浸潤影)
- 線維化のないすりガラス影
のように、肺胞内に細胞、浸出液などが出てくる病態です。これらは肺胞の構造そのものを改変するわけではないため、伸びも縮みもしないわけです。
胸部レントゲン、総論はこのぐらいでいったん終了します。ここまで読まれただけでも、随分とレントゲンを見る「眼」は養われたはず。あとは、実例を見ていきましょう!
胸部レントゲン道場に入門する
胸部レントゲンで、ここまでわかる(実例集)を見る