2012年07月04日

医師国家試験過去問(呼吸器系)つまずきポイント徹底解説・気管支喘息の病理像

今日の過去問は、こちら。

104I-36

気管支喘息の病理所見として正しいのはどれか。すべて選べ。

a 平滑筋層の肥厚 b リンパ球の浸潤 c 細気管支の破壊 d 基底膜部の線維化 e 気道上皮の過形成



これはなかなかキツイ問題です。


気管支喘息というのは、主に好酸球による炎症により気道に浮腫が生じ、上皮の剥離や杯細胞の過形成、粘液の過分泌が生じて狭くなった気道が、感染や気温の変化、ストレスなどによって平滑筋の収縮を来たし、さらに狭くなって発作を起こす病態です。


その病理組織所見として、a 平滑筋層の肥厚e 気道上皮の過形成、これは知っておいていただきたいところ。


一方b リンパ球の浸潤は見られず、好酸球の浸潤になります。また、気道は狭窄するものの、c 細気管支の破壊は見られません。


そこまではよいのですが、学生さんからの質問は、d 基底膜部の線維化があるのか?ということ。


う〜ん、いや〜あるんじゃないの?と答えたら、正解は×だそうで。某解説書によると、上皮基底膜の硝子様肥厚が見られる、だから×。としてあるんですね。


でも、私たちの常識としては、リモデリングの過程では平滑筋や上皮にfibroblastがやってきて、collagenを産生…みたいなことがある。どういうこっちゃ。色々調べました。専門家であるY先生にも尋ねました。が、どうも納得がいかない。


基底膜の硝子化も見られますが、線維化がない、とは言えないんじゃなかろうか、うーん。と、思って色々見ていたら、「受験生レベルとしては難しすぎるため採点対象から除外する」と。本当に、「難しすぎる」のが理由なんでしょうか…?


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