2012年07月13日

医師国家試験過去問(呼吸器系)つまずきポイント徹底解説・肺動脈性肺高血圧症

今日の過去問は、こちら。

104A-29

19歳の女性。動機と胸痛とを主訴に来院した。生来健康であったが、1ヶ月前から足のむくみを自覚するようになった。(中略。50m走って失神したコトがある、心電図で右心負荷所見、エコーで拡大した右室を供覧)

この疾患で見られるのはどれか。すべて選べ。

a 喘鳴 b 経静脈怒張 c coarse crackles d 発作性夜間呼吸困難 e 肺動脈性U音の減弱



19歳女性で生来健康であった方が、このタイミングで発症した右心負荷所見から、肺動脈性肺高血圧症の診断は困難ではないでしょう。で、何を問うているかといいますと…


「この選択肢は、左心不全か、右心不全か、どちらによるものか」を問うているのです。


これはもう、心不全の病態3・左心不全と右心不全1と、心不全の病態4・左心不全と右心不全2をお読みいただければ、機序からご理解いただけると思うのですが、かいつまんで書きますと、


左心の前方不全では、倦怠感・疲労感に四肢の冷感、
左心の後方不全では、(労作時、夜間の)呼吸困難、起座呼吸、それに肺の湿性ラ音が

症状として認められ、

右心の前方不全では、(労作時、夜間の)呼吸困難、起座呼吸が、
右心の後方不全では、全身の浮腫、静脈系の拡大、拡張、肝のうっ血と腫大、消化器症状が

症状として認められる、ということです。

しかしながら、実は右心の前方不全が単独で起こることはまれで、左室の後方不全による肺うっ血が出る、という事態が圧倒的です。左心の障害の方が起きやすいことと、右心系の圧が比較的低圧であることによると思われます。


ということで、右心不全で起こってくるのは静脈系の怒張、すなわちbが正解となります。

ちなみにe 肺動脈性U音 は、肺動脈系の圧が上がる病態では亢進します。


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