2012年07月19日

第79回日本呼吸器学会近畿地方会・第109回日本結核病学会近畿地方会見聞録1

6月30日に開催された上記地方会ですが、「膠原病」セッションに演題を出して長い時間その部屋にいたため、いろいろとそちら方面の勉強ができました。特に膠原病にお詳しい大阪医科大学の槇野先生には、患者さんをたくさん診ておられる先生ならではの解説を頂けました。


いくつか備忘のため、学んだことを記録しておきます。


■RAに伴う胸水、胸膜炎の活動性は関節症状の活動性と並行しない、と言われることもあるが、実際は何が起こっているか。

臓器症状は臓器によって要求する治療のレベルが異なり、胸水を抑える治療をすると、関節痛も抑えられてしまう、ということにすぎない。

RA症例において長い経過の胸水を診たことがない、その理由は、他の臓器障害に対して治療を行うことで、胸水が消えるからかもしれない。

胸膜の線維化を予防、治療するために、PSL全身投与、PSL胸腔内投与、剥皮術などが考えられる。


■当科からの症例(SLEに合併した蛋白漏出性胃腸症)に関連して

SLEに合併した蛋白漏出性胃腸症を「証明」することは少ない。SLEは診断されれば速やかに治療開始され、治療すると治るために、それと気づかれることは少ないが、結構ある病態ではないか、と考える場面はあるとのこと。


■膠原病、血管炎、間質性肺炎などに対する血漿交換のタイミング

ステロイドパルス、エンドキサンパルスへの反応がよければ考えない。

反応が悪い、あるいは、2週後にANCAが半減していなければ血漿交換を行う。

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posted by 長尾大志 at 12:53 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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