アシドーシス(酸:acid)というのは、pHが低くなっていく状態のことでした。
肺が原因で起こるアシドーシスのことを呼吸性アシドーシスといいますが、これはCO2(酸性物質)の値が増加することで、pHが低下することを意味します。
また、代謝性因子が原因で起こるアシドーシスのことを代謝性アシドーシスといいますが、これはHCO3-(アルカリ性物質)の値が減少することで、pHが低下することと理解しましょう。
アシドーシスになると、肺か腎臓、どちらか問題のない方の臓器が、pHを正常に保つため、アルカリ方向へと働きます。これを代償といいます。
例えば、CO2が貯まった結果、呼吸性アシドーシスになりますと、腎臓はHCO3-を増加させることで、血液pHを正常に戻そうとするわけです。これを腎臓による代償とします。
逆に、HCO3-が減ることで代謝性アシドーシスになった場合、肺は過換気となり、CO2を減少させることで、pHを正常に戻そうとします。これが肺による代償です。
アルカローシスはアシドーシスの反対で、pHが高くなっていく状態のことです。
肺が原因で起こるアルカローシスのことを呼吸性アルカローシスといいますが、これはCO2(酸性物質)の値が減少することで、pHが上昇することを指します。
また、代謝性因子が原因で起こるアルカローシスのことを代謝性アルカローシスといいますが、これはHCO3-(アルカリ性物質)の値が増加することで、pHが上昇することを指します。
アルカローシスになると、肺か腎臓、どちらか問題のない方の臓器が、pHを正常に保つため、酸性方向へと働きます。これを代償といいます。
例えば、CO2が過換気によって低下した結果、呼吸性アルカローシスになりますと、腎臓はHCO3-を減少させることで、血液pHを正常に戻そうとするわけです。これを腎臓による代償とします。
逆に、HCO3-が増えて代謝性アルカローシスになった場合、肺は低換気となり、CO2を蓄積させることで、pHを正常に戻そうとします。これが肺による代償です。
なお、呼吸性の代償は換気量の調節でよいわけですから、割とすぐに始まりますが、きっちり代償が完了するまでには12〜24時間を要します。
また、代謝性の代償は腎臓におけるHCO3-の再吸収、排泄の調節によって行われますから、代償には数日間かかるといわれています。
アシドーシスやアルカローシスでは、多かれ少なかれ必ずこの代償機構が働いて、いろいろな指標が動くことになり、ややこしくなってくるわけです。しかしながら、見るべきポイント、順番があって、それに基づけばそれほど難しくはありません。
酸塩基平衡〜アシドーシス・アルカローシスを最初から読む
呼吸性アルカローシスで、代償性アシドーシスが起こる場合、HCO3-が排出されるだけでなく、H+の尿からの排出量を減らすという方法はとられないのですか?
酸は身体に有害だから、酸を排出しないという反応は起こり得ないのでしょうか?
では、一型呼吸不全は頻呼吸からアルカローシスになるため、HCO3-を排出し、H+の排出抑制が腎臓で起こり、二型では、アシドーシスとなるため、それを代償してHCO3-の排出を減らし、H+の排出を増やす(NH3-と結合し、NH4となって尿へ)ということでよろしいでしょうか。
機序の理解を優先しシンプルに書くべきか、事象をできるだけ記載するか、悩みながら書いています。といいつつできるだけシンプルに書いていたりします。
学校でもそのように教えられたため、酸はどうなんだろうと思って質問させていただきました。
ありがとうございました。