2012年08月07日

酸塩基平衡〜アシドーシス・アルカローシス3・血液ガス所見を見たときの評価手順

というわけで、昨日までの基本事項を押さえた上で、実際血液ガス所見を見たときに評価していく手順を考えていきましょう。



血液ガスをとると、だいたいこういう順番で結果が帰ってくると思います。

pH 7.370
PaCO2 41.2Torr
PaO2 85.7Torr
HCO3- 24.2mEq/L




ご覧の通り、pHが最初に書いてあります。


すなわち、血液ガスを採ったときに、最初に評価すべきはpHであります。

なぜか。


PaO2は、SpO2を見ればわかる。
それ以外の要素で、命にかかわる最も大事な指標がpHであるから、に他なりません。


PaCO2もHCO3-も、pHを決める要素に過ぎない訳ですから、(もちろんその後の検討には必要なんですが)まずはpHが生死を分ける。これは肝に銘じておきましょう。


ですから、血ガスを採ったら、まずpHを確認。
カンファレンスでは、まずpHから報告する。
上級医に「血ガスどうだった?」と聞かれたら、「pHは…」と、まずpHから言い始める。


このように、生活のすべてを(大げさ)pHから始めるように意識してください。そうすると、まずpHに目がいくようになります。



pHの正常範囲は、7.350〜7.450、つまり、7.400±0.050です。


この範囲よりもpHが低い、つまり血液が標準値よりも酸性である状態をアシデミア(酸:acid)といい、血液がアシデミアに向う状況のことをアシドーシスといいます。


ここは初心者ほど「アシデミアとアシドーシス、いっしょやないかい!」と思われがちなのですが、違うんです。


というのは、例えばアシドーシスが生じると、代償としてアルカローシスが必ず起こる、その結果pH7.400になることもあれば、アシデミアになることもあるのです。結果として起こったことと、その原因となる状況の用語は分けて理解しておいた方がいいのですね。


それでは、pH<7.350のアシデミアを見たらどう考えるか。明日に。


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