2012年08月10日

酸塩基平衡〜アシドーシス・アルカローシス6・アシデミアとアシドーシスの違い

呼吸性アシドーシスになると、腎臓がHCO3-の再吸収、排泄を調節し、HCO3-は数日かかって増加傾向になります。これが腎臓による代償。


一方代謝性アシドーシスになりますと、肺は過換気となってCO2(酸性物質)を排出することで、血液pHを正常に戻そうとするわけです(肺による代償)。こちらは比較的速やかに開始され、24時間程度で成立すると言われています。



むむ、待てよ、どちらにせよ代償されたんだったら、アシデミアじゃなくなるんじゃないの?と思ったアナタ、鋭いですね。


代償されてpH7.400付近に戻ればそれはアシデミアではありません。つまり、アシドーシスはあるが、きちんと代償されているということです。その程度であれば、治療は不要であります。


アシドーシスの結果、代償機構に打ち勝ってアシデミアになるほどの強いアシドーシスの場合、治療が必要となります。原因によって治療が異なるわけですから、しっかりと評価しなければなりません。



アシデミアとアシドーシスは違う。pH<7.350を見ると「アシデミア」でなくて「アシドーシス」と言っちゃっているのは、病態としてのアシドーシスに対して治療が必要なので、そちらを取り上げているわけです。結果としてなったアシデミアよりも、より病態を重視した姿勢である、といえるでしょう。



…ということまでわかった上で、pH<7.350をみたら、自信をもって「アシドーシス」と言いましょう。何となくアシドーシス、ではなく。



もう一度まとめておきますと、pH<7.350で、

  • PaCO2>40 HCO3≦24→急性呼吸性アシドーシス

  • PaCO2>40 HCO3>24→呼吸性アシドーシスが代謝性に代償されている時期

  • HCO3<24 PaCO2≦40→急性代謝性アシドーシス

  • HCO3<24 PaCO2<<40→代謝性アシドーシスが呼吸性に代償された時期


と考えられます。


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