我が家のエピソードは省略しまして。
子供の行動を見ていると、やはりなんでも、最初のうちは失敗をするんですね。辺り一面汚したり、壊したり、傷だらけにしたり。で、何度も繰り返すうちに、ふっとできるようになる。そういうことの繰り返しで、どんどんなんでも自分からやっていくようになる。おそらく自信がつくのでしょう。
親が何かを教えてやらせたことよりも、自分の力で成し遂げた、つかみ取ったものの方が、子供自身の自信になる。親の役目は、子供に自信をつけさせることなのではないだろうか、そう思えるようになりました。
翻って、学生、研修医、レジデント諸君の指導においても、これまで私はあまりにも、「教える」「失敗をさせない」ことに重きを置きすぎていたのではないか、そう思い始めたのです。
本当に大事なものは、自分で考える力。見たことのない症例、困難にあたったときに、自分で道を切り開くことができる力ではないか。
自分で考え、答えに至ったときに、自信が芽生える。その手伝いをこっそりとするのが私の使命ではないか。理想的には、「私は自分の力でここまでできた、なかなかのもんだ。どこへ行ってもやっていけそうだ。」と思ってもらうこと。
そう考えて、いくつかの基本方針を決めました。
@できるだけ多くの経験をさせる。
A自ら、「選択する」機会を多く持たせる。
B徹底的に保護する。
C到達したステージを見極め、適切な課題を与える。
D教えさせる
とかく若い先生方は、手っ取り早く「正解」を求めがち。「この場合、抗菌薬は何を選択するんですか?」「何の薬を使うんですか?」「診断は何ですか?」「正解は何ですか?」…。
そんなわけでなかなか、こういう方針は理解していただけないようですが、私が見た「できる」研修医諸君は、この方針下でぐんぐん伸びていかれるようです。
…だいぶ、形になってきたでしょうか。
2012年08月12日
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