2012年08月29日

今日の症例・リンパ腫治療中に両側びまん性陰影を呈した1例3

リンパ腫化学療法施行中に生じてきた両側びまん性の陰影。低酸素血症。
気管支鏡BALにて徐々に濃くなる血清回収液を得、びまん性肺胞出血と考えました。


肺胞出血についておさらい


出血の原因としてリンパ腫再燃の可能性は低いと考えられ、各種培養と治療経過から、感染症の可能性も否定的と考えられました。


ということで、肺胞出血の原因としては、

  • 薬剤性

  • 血管炎

  • 膠原病

  • Goodpasture症候群


などが挙げられました。


腎機能、尿所見が全く問題なかったこと、他臓器の症状、身体所見に膠原病を思わせるものがなかったこと、そして各種抗体検査が陰性であったことから、薬剤性以外の疾患も否定的としました。



ということで、抗癌剤などによる薬剤性のびまん性肺胞出血が疑われました。よくよく後で病歴を伺ってみると、化学療法のたびに軽度の呼吸困難感を自覚されていたとのことで、抗癌剤投与と症状発現のタイミングが合っていたと考えられます。


今回投与されていた抗癌剤で、肺胞出血を来すと報告されているのはリツキシマブとシクロホスファミド。いずれもDLSTは陽性となりませんでしたが、被擬薬として、以降の使用を避けるよう申し上げました。幸い、リンパ腫は今のところ再燃の兆しはありません。


肺病変も、ご覧の通り…


DAFCR2.jpg


DAFCT21.jpg


DAFCT22.jpg


DAFCT23.jpg


ほぼきれいに治りましたね。

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posted by 長尾大志 at 19:38 | Comment(0) | 今日の症例
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