元気な人、若い人が、保育園、幼稚園、学校、会社、人混みなどで吸い込むような菌は、やはりそういう場に出入りできるくらいの状態の「病気の人」、あるいは「健康だけれども保菌している人」が喀出した「咳」「痰」「しぶき」に含まれている菌ということになります。
すなわち、軽い上気道炎、咽頭炎、副鼻腔炎、気管支炎、慢性気道感染の原因となる菌や鼻咽頭に常在しそうな、次のような菌(微生物)が挙げられます。
- 肺炎球菌
- H.influenzae(インフルエンザ菌)
- マイコプラズマ・クラミドフィラ
- ウイルス(インフルエンザ、水痘他)
他に、クラミドフィラ・シッタシ(オウム病の原因)は鳥、レジオネラは水環境(24時間風呂、温泉etc…)を経て感染する。これらも、いわゆる「市中での生活」をしていないと感染機会はなさそうですね。
市中肺炎の原因菌はこれらであることが多いため、エンピリック(経験的)治療はこれらの菌をターゲットとして行われます。
スペクトラム的には、肺炎球菌やH.influenzae(インフルエンザ菌)には通常ペニシリンなどのβラクタムが有効ですが、マイコプラズマやクラミドフィラにはβラクタムが効かない。ということで、これらの鑑別が必要になるわけです。
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