2012年09月17日

呼吸器内科アドバンスコース・学生さんの感想

以前にも書きましたが、呼吸器内科では独自に、六年生に臨床実習のアドバンスコースを行っておりまして、「教える」という意味では(手前味噌ですが)相当高レベルなところにあると思っています。


このたびまた、学生さんからうれしい感想をいただきましたので、紹介したいと思います。


(ここから引用)

アドバンスコース呼吸器内科を体験して

 以前の私は、臨床の場での呼吸器疾患の重要性を認識していたものの、画像読影が大きな壁となり、呼吸器内科の勉強はついつい後回しになりがちでした。ポリクリではほぼ1週間分しかまわれず、時間は十分とは言えません。正直、画像診断を勉強するにあたって、私にとっては独学では限界があり、克服するためには、画像に熟知しておられ、かつ教え方が上手な指導医に恵まれ、数をこなすことが必要だと思っていました。


私がアドバンスコースで呼吸器内科を希望した理由は、国試が迫っている中、そんな大きな苦手科目を何とかしたいという藁にもすがる思いがあったからです。そんな私がアドバンスコース呼吸器内科を終えて言えることは、画像診断でつまずき、自分には呼吸器内科は合っていないと否定する学生には、滋賀医の呼吸器内科は大変お薦めです。

私の場合、あれ程苦手意識の強かった呼吸器内科が6週間後には得意科目となり、さらには他科における読影にまですっかり抵抗がなくなったのですから。


 最も画像診断力がつき、勉強になったのが長尾先生のレスピロナビです。これは、網羅的に重要な疾患を各疾患につき数多くのレントゲン写真やCT写真をとりあげ、長尾先生と一緒に検討していくといったもので、私のおかしな質問や意見でも、とりあえず優しくうなずきながら誘導し、疑問に納得できるまで付き合って下さいました。

疾患を当てにいくというより、見ている画像に異常があるのか漏れの無い見方を身に付けた上で、それが自分の眼にはどう写ったか、またその影がどのようなプロセスでこのように映るか、そう映るには必ず何か理由があるはずだと、理論的経験的に推測していく面白さを知ることができました。画像に対するこの姿勢が他科の読影でも抵抗が無くなった大きな理由だと思います。


また、国試対策にも考慮し、山口先生が毎週20問、分野を問わずまんべんなく用意され、そこで実力を試すという意味で勉強の励みになり、毎週正答率が上がっていくのは自信にもつながりました。しかしながら、個人の自由時間もしっかり与えられ、国試の準備に追われる学生に対する配慮が有難かったです。


龍神先生のモールで気管支を作り立体的に理解を深める工夫のある授業は楽しかったですし、画像診断や気管支鏡検査のイメージを飛躍的に持てるようになりました。


また、小熊先生はシミュレーターを用いて聴診について教えて下さり、これは様々な病的な胸部雑音を実際に自身の聴診器を人形にあてて聴きとるもので、聴診器をあてる強さ・位置、聴診器を通せば各雑音がどれくらいの大きさでどれほどわずかなものであるか、など、患者さん相手ではじっくり行うことができないようなことを学べます。個人的にタイミングをみてまた聴診しに行きたいです。


朝のカンファレンス参加により早起きをさせ、生活のリズムを付けさせたいという先生の意図も含め、個々の内容が有益で、何一つ無駄が無く、中身の濃いプログラムでした。


 呼吸器内科・外科・放射線科の3科合同のお食事会では、拙い言葉でも御礼を伝えたかったのですが、長尾先生には言えずじまいで、最終日、本来御世話になった私達が御礼を申し上げるべきところ、先生が肺胞の飾り付きケーキまで用意して下さり、胸が熱くなりました。


 学生にとって充実した6週間にするために、お忙しいところ、準備に結構なお時間を割いて頂いたと思います。アドバンスコース中に「呼吸器内科を伝え、その指導のために滋賀医に骨をうずめるつもり」と、温厚な長尾先生がおっしゃっていた姿に私は感銘を受けましたが、他の先生方もそういう熱い思いをお持ちのようです。

長尾先生だけでなく、他の先生方も非常に尊敬できる親しみ易いお人柄の先生ばかりで、私は萎縮することなく実力を得ることができ、大変感謝致しております。6週間本当に有難うございました。

(引用ここまで)


…えー、改行を加えた以外は一切改変しておりません。私なんぞが書くよりもよほどコースの本質を説明してくださっています。


K君、本当にありがとうございました。大変励みになります。
スタッフの先生方も、お疲れ様でした。来年も頑張りましょう!

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posted by 長尾大志 at 17:21 | Comment(0) | 先輩研修医・学生さんの感想
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