2012年09月21日

肺炎と抗菌薬〜3つのガイドラインの根底に流れる「共通の考え方」13〜抗菌薬の種類と特徴1・菌の分類

いつまでごちゃごちゃやってんねん、はよ抗菌薬の話せーや、という声もなく?、粛々と抗菌薬の話に入りましょう。


ここから先は、肺炎の原因菌として大事な菌を分類し、それらに対してどうか、という観点で見ていきます。


市中肺炎のガイドラインに載っている、原因微生物で非定型病原体(βラクタム系が効かない奴ら)以外のものを上から順に挙げてみましょう。


肺炎球菌
インフルエンザ菌

黄色ブドウ球菌(MSSA、MRSA)
モラクセラ
クレブシエラ

ミレリ・グループ
嫌気性菌

緑膿菌


間が開いているのは、頻度に開きがある、そのニュアンスをお伝えしたかったから


あと、院内肺炎や医療・介護関連肺炎においては、大腸菌をはじめとする腸内細菌系の頻度が高くなってきます。



このうち、肺炎球菌とミレリ・グループ、黄色ブドウ球菌、口腔内の嫌気性菌はグラム陽性球菌。
モラクセラはグラム陰性球菌。
インフルエンザ菌、クレブシエラ、主な腸内細菌、緑膿菌はグラム陰性桿菌ですね。


で、分類としては、まず大きくグラム陽性球菌群、グラム陰性菌群に分けます。


それから、βラクタム系の天敵、βラクタマーゼ産生菌(グラム陽性球菌でも陰性桿菌でもあります)はちょっと特別扱い。

また、市中肺炎の原因菌として割合が多いのと、少しやっかいなBLNARが増えている、ということでインフルエンザ菌も少し別扱いとなります。


緑膿菌はもちろん特別扱い。MRSAも然りですね。

ということで、来週に続きます。


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posted by 長尾大志 at 18:55 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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