2012年09月27日

肺炎と抗菌薬〜3つのガイドラインの根底に流れる「共通の考え方」17〜抗菌薬の種類と特徴5・セフェム系抗菌薬1・世代をたどって考える

むしろペニシリンより広く使われている感のあるセフェムですが、こちらも歴史を紐解くことで、より理解が深まることと思います。


基本的には、

グラム陽性球菌→グラム陰性桿菌に広げる→緑膿菌にまで行く→グラム陽性球菌がおろそかになり、MRSA蔓延→グラム陰性桿菌への効果はそのままに、陽性球菌にも効くようにする、という流れです。


この流れが、およそ第1世代→第2世代→第3世代→第4世代、という感じです。


草加市立病院 健康管理課 医長の大澤先生によるスライドには、ウルトラマンや怪獣たちがたくさん出てきて、(私たちの世代にとっては)非常にたとえがわかりやすいのですが、そのスライドをそのまま見ていただくわけには参りません。


でもあまりにもたとえがいいので、その考え方をしっかりお伝えしたいと思います。


第1世代は強毒菌が相手。
強敵の怪獣相手のウルトラマンをイメージしましょう。


弱毒菌にスペクトラムを広げてきたのが第2世代。
力押しの怪獣に加え、頭脳派宇宙人を相手にしていたウルトラセブンのイメージです。


次の第3世代では、さらに強敵に対抗すべく、2種類のアプローチがとられます。
1つは弱毒菌である緑膿菌への効果。
もう1つは肺炎球菌やインフルエンザ菌の耐性菌へ。

武器を手にしたウルトラマンジャックは、どのような敵にも立ち向かい、登場当初万能にも思われたのですが、しかしながらしばしば返り討ち(耐性)に遭い、兄弟の助けを得ることになります。


そしていよいよ第4世代。
当初から怪獣相手では万能に立ち向かっていたものの、すべての敵に単独で立ち向かう訳ではなく、しばしば父や兄の助けを求めていたウルトラマンエースとイメージが重なります。


第4世代が登場した頃には使う側(私たち)も単剤での使用は必ずしも好ましくはない、場面に応じて併用薬を使う、という具合に使い方が洗練されてきたわけですね。


ということで、ウルトラマンシリーズをご存じない方にとってはナンノコッチャ?な記事となりました。わかる方にはものすごくわかっていただけるのではないかと。大澤先生、どうもありがとうございました!


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posted by 長尾大志 at 16:10 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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