特に頭を使わずにカルバペネム系を開始して、効かなかったら…どうしましょう。お手上げですか。
■カルバペネム系が「効かない」「使えない」場面
- 量が不足:未だにあちこちでよく見かけますけど、いい加減にしてほしいものです。βラクタム系は量もそうですし、多数回投与が基本です。1日2回はダメ、効きませんよ。
- スペクトラムが届かない:MRSAぐらいはさすがに…誰でもご存じでしょうが、非定型菌(レジオネラとか)はダメで、他にも腸球菌の一部とか、S.maltophiliaなどもアキマセン。
- 耐性菌である:スペクトラムが理論的に良くても、耐性菌であればダメです。なので、培養から感受性を知ることがきわめて重要なのです。また、自施設の耐性具合を把握しておくことも重要です。
- そもそも肺炎ではない、合併症がある:診断違い。学生さんは論外、と思われるかもしれませんが、現実問題、結構ありますよ(苦笑)。心不全、うっ血、その他の合併症があると治りにくいし。
この手の話になると熱くなってしまうので、今日はそこそこで。
明日の告知をしておきましょう。
第6回卒後臨床研修イブニングセミナー
日時:平成24年10月19日(金) 18:30〜19:45
会場:臨床講義室1(臨床講義棟1階)
学術情報 18:30〜18:45
『吸入ステロイド喘息治療剤
アズマネックス ツイストヘラー』MSD株式会社
特別講演 18:45〜19:45
『「咳がでる患者さん」を診たときに〜病歴と身体所見から診断にい
たり、正しく治療するためのClinical Pearls』
呼吸器内科 講師(学内) 長尾 大志 先生
座長:滋賀医科大学医学部附属病院 消化器内科 助教
医師臨床教育センター セミナー担当 稲 富 理 先生
そもそもこのイブニングセミナーは研修医、学部6年生向けのセミナーですが、今回のこれに関しては3年目とか4年目の、外来をやるようになったドクター向けかもしれません。
まあでもその時期の(特に他科の)ドクターに向けてセミナーをやることは現実にはございませんので、今回のお話が多くの方々にとっては、人生最後のちゃんとした咳に関する講義を聴く機会となるでしょう。
たかが「咳」、されど「咳」。咳が出るには理由があるのです…。
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