2012年11月07日

肺炎と抗菌薬〜3つのガイドラインの根底に流れる「共通の考え方」38〜肺炎治療の流れ9・院内肺炎に対するエンピリック治療の基本的考え方・中等症群に対する治療経過とde-escalation

院内肺炎ガイドラインでは、中等症群に関しても治療の経過で修正すべきポイントを明示してくださっています。


2〜3日後に体温、分泌物の状態、酸素化という症状、診察で見た感じで、そして喀痰培養の結果を見て、治療効果を判断し、軌道修正を行います。


院内肺炎中等症群の治療においては、通常緑膿菌をカバーする抗菌薬を選択するわけですが、良質な喀痰培養で緑膿菌が検出されるかどうか、これも治療があっているかどうかを判断する材料になります。


軽症群との違いは、「中等症群ではエンピリックに緑膿菌をカバー」というところになります。今の考えでは、緑膿菌をカバーする抗菌薬はなるべく温存、ということになっていますから、緑膿菌がいなさそうなら、緑膿菌をカバーしない抗菌薬に変更しましょう、ということになります。これが、de-escalationの考え方です。


誤解を恐れずに、かつシンプルに、症状が軽快しているかいないか、良質な痰から緑膿菌(をはじめとする耐性菌)が検出されたかどうかでどのように判定をするか、分類して考えてみましょう。



  • 症状軽快・緑膿菌検出せず:順調です。緑膿菌が原因菌ではないと考えられますので、緑膿菌をカバーから外す、de-escalationを行いましょう。具体的には、 A群(軽症群)に使用する抗菌薬への切り替えと書かれてあります。

  • 症状軽快・緑膿菌検出:緑膿菌が検出され、それに対して使用している抗菌薬が効果あり、という状況ですから、やっている治療をこのまま維持しましょう。

  • 症状悪化・緑膿菌検出せず:軽症群のときにも書きましたが、ここに入ると、ちょっと一口には語れません。診断の見直しも必要かも。ただ、 MRSAの関与が疑われ、MRSA貪食像が見られて、臨床像もあいそうな場合には抗MRSA薬をドカンといけ、となっています。

  • 症状悪化・緑膿菌検出:今の治療ではアカン、効いてないということですから、菌の感受性を見て、それに基づいた治療に変更します。



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posted by 長尾大志 at 18:27 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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