2012年11月13日

肺炎と抗菌薬〜3つのガイドラインの根底に流れる「共通の考え方」40〜肺炎治療の流れ11・院内肺炎に対するエンピリック治療の基本的考え方・重症群に対する治療経過とde-escalation

院内肺炎ガイドラインでは、重症群に関しても、治療の経過で修正すべきポイントを明示してくださっています。


しかしそこは重症院内肺炎相手ですから、思い切った狭域化のde-escalationは紹介されていません。緑膿菌は少なくとも一剤がカバーし続けるようになっています。


しかし、抗菌薬投与前の良質な喀痰培養で緑膿菌が検出されない、こうなりますと、緑膿菌による感染症の可能性は低くなります。


少なくとも「多剤耐性緑膿菌を考慮して2系統で緑膿菌を叩く」必要はなさそうかと。


従って、ガイドラインでは、抗菌薬投与前の良質な喀痰培養で緑膿菌が検出されない場合は、(副作用の多い)アミノグリコシドを中止する、とされています。


実臨床では、抗菌薬開始後の経過が順調で、喀痰から有意な菌が得られた場合、それに従って抗菌薬を変更する、ということはあっても良いでしょう。



また、キノロンの位置づけとしては、特に重症肺炎の場合、レジオネラ対策の意味合いが強いものです(CPFX300mg×2では1回投与量が少なく、緑膿菌には届かなかったりする)。ですから、臨床的にレジオネラを疑うような状況がなければ、キノロン薬を中止して良い、となっています。


レジオネラを疑う状況

  • レジオネラ尿中抗原陽性

  • 進行する重症肺炎

  • 多肺葉性陰影

  • 胸水

  • 間質性陰影の混在

  • (病院、病棟内での)集団発生



今ではクラビット全盛ですから、ガイドラインが改定される頃には、少し意味合いは違ってきているかもしれません。


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posted by 長尾大志 at 18:26 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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