昨日のコメントで指摘がありましたが、β-D-グルカンの上昇にあまり引きずられるのは、決して良いことはありません。
病歴から考えずに検査所見から考えると、偽陽性の罠にはまることになります。まず、病歴から妥当な鑑別を挙げ、それを支持する所見があるかどうか確かめるために検査があるはずです。
本症例の場合ですと、ステロイド使用+β-D-グルカン上昇というワードにひきずられると「真菌症」「ニューモシスチス肺炎」という鑑別が挙がってくるでしょう。でも真菌症が起こってくる状況はもっと好中球が(局所、または全身性に)減った状況が多いでしょうし、ニューモシスチス肺炎ではすりガラス影が生じて著しい低酸素血症になるでしょう。
もちろん否定できるものではありませんが、「典型的ではない」とは言えると思います。
β-D-グルカンが上昇する病態、偽陽性となる場面を知っていれば、そちらの可能性も想定できるわけです。
さて前振りはこのぐらいにして、喀痰検査を施行しました。しかしこちらには有意な菌が認められていません。ただ、ご本人からは「茶色い痰が時々出る」というセリフが聞かれました。これって…?
肺の防御機構と痰を最初から読む
2012年12月07日
この記事へのコメント
コメントを書く

