2012年12月13日

第80回日本呼吸器学会地方会「医学生・研修医アワード」セッション予習

12月15日に開かれる第80回日本呼吸器学会近畿地方会にて、「医学生・研修医アワード」セッション予習です。


■横紋筋融解症による急性腎不全を合併し、血液透析を必要としたレジオネラ肺炎の一例

概要
50歳代男性。発熱と意識障害を主訴に来院。炎症反応、CPK高値、肝障害、腎障害あり尿中レジオネラ抗原陽性からレジオネラ肺炎と診断した。CTRXおよびAZM投与しつつ、腎機能悪化に対し血液透析を行い回復した。


所感
腎不全を合併したレジオネラ肺炎の救命例です。治療はともかく、診断のところがポイントにはなるかと思います。次の症例もレジオネラなので、併せて考えることになるでしょうか。



■医療・介護関連肺炎(NHCAP)として発症したレジオネラ肺炎の1例

概要
80歳代男性。ふらつきを主訴とし近医受診、肺炎との診断で紹介となった。認知症とPS3からNHCAPと診断し、ガイドラインのB群として誤嚥の要素を鑑みSBT/ABPCを投与した。その後レジオネラ尿中抗原陽性と判明し、CPFX+AZMを投与したが入院5日目に永眠された。


所感
認知があり、症状の出方が非典型的であったであろうレジオネラ肺炎にどこまで迫れるのか、また、治療はどこまでできるのかが論点となるでしょう。また、尿中抗原陰性であった場合にはどこまで診断に迫れるのかも興味深いところです。


また、本症例のようにNHCAPの要素がある症例では、感染経路も問題となるでしょう。



■腎移植後に胸部多発空洞性病変を認めたクリプトコッカス症合併の一例

概要
60歳代男性。腎移植後2年経過。高熱、多発空洞影あり髄液中抗原陽性と気管支鏡で菌体を認めたことよりクリプトコッカス症と診断。FLCZで治療開始したが髄液所見悪化し、L-AMBに変更し軽快した。しかしCre 7.6と上昇傾向を認める。


所感
画像がわかりませんが、ポイントは診断ということになりましょうか。移植後の腎機能も芳しくないようであり、今後の方針も知りたいところです。

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posted by 長尾大志 at 16:45 | Comment(0) | 学会・研究会見聞録
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