そういうわけで一昨日の学会では、アワードセッションの座長をやったわけですが、アワードの性格上、そのセッションが終わってから審議を行い、最優秀演題と優秀演題を選出し発表する段取りであったわけです。
そのため、セッションの冒頭で「ご自分の発表が終わっても残っておいてください。最後に発表がありますから。」とアナウンスをしたわけですね。
そこで改めて思ったのですが、特にここ最近、ご自分の発表が終わったらさっさと出て行く発表者(およびその関係者)が多いのが目に付きますね。
私がはじめて発表したウン十年前、上級医からは「自分の発表が終わっても出て行ってはダメだ。ホッとして外の空気を吸いたい気持ちはわかるが、少なくともそのセッションが終わるまではその場にいるように。」と指導を受けました。
それはもちろん、すぐに次の演題が始まることから、人が動くと発表の邪魔になる、ということが大きいのですが、それ以外にも自分が勉強して発表した、同じジャンルの他の発表を見ることでより多くの学びを得る、という点、さらにそういう、色々と勉強した(建前の)場で質問をもすることで、さらに成長することが期待される、という面も無視できません。
それがどうも昨今では、ご自分の発表が終わったらそそくさと席を立つ、何だったら上級医とおぼしき方々も団体でがやがやと席を立つ。結構名のある施設の有名な先生方でもそんな感じであったりする風潮にあるようです。
それで、質問に立たれるのもその分野の権威の先生というか、そういう先生に限られていて、そのご発言は勉強になることも多いのですが、何となく雰囲気が硬直化しているような、そんな気もしておりました。
それを踏まえて、自分の時のアナウンスでは「本来ご自分の発表が終わられてもセッションが終わるまでは席を立たないのが建前…」と口を滑らせてしまったのですが、そこで起きた苦笑いは、私と同じことを思っておられる先生方もおられるのかなーと、少し意を強くしました。
若い先生方の育成のために、どんどん質問をしてもらいたい、若いうちのそういう経験は一生残りますから、是非ご自分の発表が終わっても残っておかれて、関連分野の発表に対して積極的に参加してもらいたい、そう思っています。
一昨日もそう呼びかけたところ何人かの若手の先生が質問されて、「活発な論議」になったのではないかな−と思っています。今後も、そういう感じでいきたいものです。
2012年12月17日
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