2012年12月21日

ブラとブレブの違い

今日も、先日頂いたご質問にお答えいたします。


(質問ここから)
失礼いたします。獣医師をしております。ブラとブレブ、臨床的には細かく鑑別する必要がないようですが、できましたらイラストなども用いながらこの2つの違いを説明していただけないでしょうか?よろしくお願いいたします。
(ここまで)



以前にも書きましたが、肺の中にできた空気の袋を肺嚢胞と言います。


袋があって、中身が空気、ということで、袋にあたる周りの隔壁は白く薄い壁として見え、その中身が真っ黒に見える、これが嚢胞の見え方です。肺胞が破壊されたために肺の中にいきなり黒い空間が出現する気腫とは、壁のあるなしが違います。


8嚢胞と気腫.jpg


嚢胞には定義としてブラとブレブ、2つのものが決められていますが、ブラとブレブに関しては、教科書によって若干書いてあることが違っていたりします。画像の教科書か病理の教科書かによっても若干。ここではFleischner Societyの用語集(Radiology 2008)やHRCT of the LUNG(Webb)あたりの画像の教科書を参考にしてみましょう。


■ブラ(Bulla):径1cmを超える(通常数cm)気腔で、1mm以下の薄い壁によって境界されています。隣接する肺にしばしば気腫性変化を伴うので、気腫に伴って形成されたものと解釈されます。


こちらは喫煙者の、特に胸膜直下によく見られます。喫煙で肺胞が破壊されると気腫になるわけですが、その一部が壁を形成してブラとなるようです。壁は折りたたまれた肺胞や結合組織などから形成されています。


ということで、高齢喫煙者の気胸の原因は、こちらが破れることによる、というケースが多いハズですが、たぶん厳密には調べられていないでしょう。



■ブレブ(Bleb):基本、臓側胸膜内に存在する小さな気腔で、径が1cmに満たないものをいいます。ただ、径の大きさによってブレブとブラを区別する意義は臨床的に乏しいので、ブレブという言葉を放射線科医が使用することは勧められないとまで書いてあったりします。


定義からしても、ブレブの壁を形成するのは胸膜、ということになります。いわゆる若年男性における自然気胸の時の説明で、破れるのは(定義としては)ブレブであることが多いのですが、たいてい「ブラが…」と言われていますね。


そもそも、画像的には(大きさ以外)、ブラとブレブを区別することはできませんので、これを区別することに意義は少なく、たいてい「ブラ」という用語が使われる、とまで教科書に記載があります。なので、「ブラが…」と言うておいたらいいのです。



イラストを、ということでしたので、作ってみました。いかがでしょうか。


3ブラとブレブ.jpg


気胸・胸水・ドレナージを最初から読む

トップページへ

posted by 長尾大志 at 11:20 | Comment(1) | 気胸・胸水・ドレナージ
この記事へのコメント
看護師国試のために、勉強しています。ブラやブレブが膿胸の原因になるかどうか、という問題を調べるために、閲覧させていただきました。詳しく図説されていて、勉強になりました。
Posted by Kazu at 2013年11月18日 17:56
コメントを書く
お名前:

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。