2013年01月16日

胸部レントゲン道場43・各論16・レントゲンで白くなる病態10・べったりと白くなる連続性の陰影・浸潤影2・air bronchogramの話をする前に

浸潤影と来れば、air bronchogramを採り上げないわけには参りません。が、その話をしようとすると、前提条件となる基本事項をお話ししなくてはなりません。


これ、もっと最初のうちにお話ししておくべきだったような気がいたしますが…。



胸部レントゲンやCTの分解能は、およそ人間の肉眼の分解能である0.5mmです。従って、胸部レントゲン写真やCTを撮影した場合、0.5mm以上の大きさのものが「目に見える」はずです。


肺を構成する成分には、次のようなものがあります。


  • 肺胞

  • 気管支

  • 血管(動静脈)

  • リンパ管

  • (広義の)間質



このうち0.5mm以上、という条件を満たすものは実は少ないのですね。


  • 肺胞:径0.2mm

  • 気管支:径0.5mm〜2cm

  • 血管(動静脈):径0.5mm〜2cm

  • リンパ管:0.5mmより細い

  • (広義の)間質:血管や気管支などよりもずっと薄い



要は、血管と気管支だけなのです。ところで、血管の中には血液が通っていますが、気管支の中には空気が通っていますね。


1血管と気管支の見え方.JPG


すると、血管は血管壁(水濃度に近い)と血液(水濃度)が一体化して見えますが…。


2血管の見え方.JPG


気管支は中を通っている空気を挟んで、気管支壁が上下(?)2本、平行に走っているのが見えるのです。


3気管支の見え方.JPG


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posted by 長尾大志 at 20:06 | Comment(0) | 胸部X線道場
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