2013年01月17日

胸部レントゲン道場44・CT総論1・正常CTで見えるもの

胸部レントゲンやCTの分解能は、およそ人間の肉眼の分解能である0.5mmですから、0.5mm以上の大きさのものが「見える」はずです。


肺の構造物の中で、0.5mm以上の大きさのものは血管と気管支ですが、血管の中には血液が通っていて、気管支の中には空気が通っています。


1血管と気管支の見え方.JPG


そのため、血管は1本の棒に見えますが、気管支は平行に走る2本の(細い)棒として見えるはずです。


ここで考えてください。径が0.5mmの意味を。


血管径が0.5mmの場合、その血管は0.5mmの棒状構造物として、胸部レントゲン写真やCT上で見えるはずですね。


2血管の見え方.JPG


一方、径が0.5mmの気管支はどうでしょうか。その場合、気管支壁は0.5mmよりも随分薄いはず。そのような構造物は胸部レントゲン写真やCT上では見えません。気管支(の壁)が見えるようになるのは、壁の厚さが0.5mm以上なければならないのです。


3気管支の見え方.JPG


壁の厚さが0.5mm以上、ということは、相当中枢に近い、太い気管支であります。そういうレベルの気管支しか胸部レントゲン写真やCT上で見えない、ということになります。


まとめると、正常の胸部レントゲン写真やCT上で見える肺の構造物は、血管(割と末梢まで)と気管支(中枢付近)である、ということになります。


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posted by 長尾大志 at 10:59 | Comment(0) | 胸部X線道場
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