2013年01月18日

胸部レントゲン道場45・CT総論2・正常CTで見えるもの・肺の末梢における構造たち

これからのお話は、本来組織標本と対応させてこそ理解できるものですが、残念ながら手持ちの組織標本がないため、イラストで代用させて頂くことになりそうな予感がいたします。



血管や気管支は、肺門部で最も太く、1cm以上ありますが、そこから20回近く分岐を繰り返して、細気管支と呼ばれる領域になって参りますと、径が0.5mm程度になります。


4肺内血管(気管支も)の太さ.jpg


先に述べましたとおり、正常の胸部レントゲン写真やCT上で見える肺の構造物は、大きさ(太さ・厚さ)が0.5mm以上である、血管(割と末梢まで)と気管支(中枢付近)であります。


5正常CT.jpg


上の写真で見えている白い棒状の、枝分かれしている構造物はほとんどが血管、ということです。気管支は中枢のホンの一部しか見えておりません。


6見える気管支はこれだけ.jpg


これが正常CT像です。


さまざまな病気になり、さまざまな肺内の構造物

  • 肺胞

  • 気管支

  • 血管(動静脈)

  • リンパ管

  • (広義の)間質


などがやられて参りますと、その構造物が

  • 空気濃度に近くなって黒っぽく写ったり

  • 水濃度に近くなって白っぽく写ったり


します。


肺胞や末梢の気管支、リンパ管は正常では(小さすぎて、細すぎて)見えませんが、病気になると水成分が増えたり結節ができたり、さまざまな機序で見える大きさになってきます。つまり、病気になることで可視化する、そのパターンを捕まえる作業が必要になるのです。


何が可視化したか、これを理解すれば陰影の成り立ちは理解できます。


そのためには可視化の機序を知っておいて頂く必要があります。なかなか、つらいところかもしれませんが、しばらくお付き合いください。


胸部レントゲン道場に入門する

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:52 | Comment(0) | 胸部X線道場
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。