
肺動脈は小葉の中心部で終わっている。というか、そこから周りの肺胞(周囲の毛細血管)に静脈血が散らばっていきます。肺胞周囲の毛細血管を通過する過程で、静脈血は空気と触れてガス交換を行い、酸素化されて動脈血になるのです。

ここで考えてください。じゃあ、静脈はどこにあるのが一番理にかなっているか。
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学生さんにいつも尋ねるのですが、結構正解が出ます。静脈は小葉を囲う隔壁(小葉の辺縁部)内にあるのが理にかなっていますね。

小葉中心の肺動脈から散らばった静脈血は、肺胞周囲の毛細血管を通過する過程で、空気と触れてガス交換を行い、酸素化されて動脈血になった後に小葉辺縁の肺静脈に入り、左房に還っていくのです。
ちなみに小葉辺縁の肺静脈、端の部分(肺の端にあたります)での太さは、0.5mmより細くなっています。この0.5mm内外が、実はレントゲンやCTを見る上で、後ほど大いにものを言うので、意識しておいてください。
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