2013年01月29日

胸部レントゲン道場49・CT総論6・正常CTで見えるもの・肺の末梢における構造たち・小葉構造4・肺静脈

空気は気管支を行ったり来たりできるので、気管支を通って入った空気は、肺胞で行き止まりとなり、また気管支を通って出て行きます。一方、血液は血管内を行ったり来たりはできません。基本的に一方通行であります。


12小葉と肺動脈.jpg


肺動脈は小葉の中心部で終わっている。というか、そこから周りの肺胞(周囲の毛細血管)に静脈血が散らばっていきます。肺胞周囲の毛細血管を通過する過程で、静脈血は空気と触れてガス交換を行い、酸素化されて動脈血になるのです。


15静脈血が肺胞へ.jpg


ここで考えてください。じゃあ、静脈はどこにあるのが一番理にかなっているか。





学生さんにいつも尋ねるのですが、結構正解が出ます。静脈は小葉を囲う隔壁(小葉の辺縁部)内にあるのが理にかなっていますね。


16小葉中心の肺動脈から小葉辺縁の肺静脈へ.jpg


小葉中心の肺動脈から散らばった静脈血は、肺胞周囲の毛細血管を通過する過程で、空気と触れてガス交換を行い、酸素化されて動脈血になった後に小葉辺縁の肺静脈に入り、左房に還っていくのです。


ちなみに小葉辺縁の肺静脈、端の部分(肺の端にあたります)での太さは、0.5mmより細くなっています。この0.5mm内外が、実はレントゲンやCTを見る上で、後ほど大いにものを言うので、意識しておいてください。


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posted by 長尾大志 at 19:24 | Comment(0) | 胸部X線道場
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