2013年01月31日

胸部レントゲン道場51・CT総論8・で、これらの構造物が侵されるとどうなるか・間質と実質

で、これらの構造物が侵されるとどうなるか…を書きかけたのですが、間質の説明をしていないことに気づきました。ここでしておきましょう。


本来の「間質」とは、「実質」に対する言葉です。


実質とは実際にガス交換をしている「場」のことですから、肺胞上皮に囲まれた、肺胞腔、空間のことです。
そして、肺胞上皮と隣の上皮の間に存在する結合組織、肺胞中隔にあたる場所を間質と呼んでいます。


20実質と間質.jpg


図の青色の部分(実際にはほとんど空気)が実質、オレンジ色の部分が間質です。


…なのですが、ややこしいことに、肺にはもう一つ「間質」と呼ばれる場所があります。それは、肺動脈・肺動脈や気管支の周囲、胸膜にある結合組織で、この場所は本来の(上で書いた)間質とは違う、広義の間質、すなわち「広義間質」と呼び習わされています。


21肺動静脈・気管支周囲も「(広義)間質」.jpg


ですから、「間質」という言葉を使われる際には、狭義の間質なのか、広義の間質なのかを必ず意識しておかないと、全然違うことを言ってしまうことになりかねないのです。


22「狭義の間質」と「(広義)間質」.jpg


普通は、狭義の間質を単に「間質」と呼び、広義の方を「広義間質」と呼んで区別しています。


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posted by 長尾大志 at 19:11 | Comment(0) | 胸部X線道場
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