本来の「間質」とは、「実質」に対する言葉です。
実質とは実際にガス交換をしている「場」のことですから、肺胞上皮に囲まれた、肺胞腔、空間のことです。
そして、肺胞上皮と隣の上皮の間に存在する結合組織、肺胞中隔にあたる場所を間質と呼んでいます。

図の青色の部分(実際にはほとんど空気)が実質、オレンジ色の部分が間質です。
…なのですが、ややこしいことに、肺にはもう一つ「間質」と呼ばれる場所があります。それは、肺動脈・肺動脈や気管支の周囲、胸膜にある結合組織で、この場所は本来の(上で書いた)間質とは違う、広義の間質、すなわち「広義間質」と呼び習わされています。

ですから、「間質」という言葉を使われる際には、狭義の間質なのか、広義の間質なのかを必ず意識しておかないと、全然違うことを言ってしまうことになりかねないのです。

普通は、狭義の間質を単に「間質」と呼び、広義の方を「広義間質」と呼んで区別しています。
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