2013年02月06日

胸部レントゲン道場55・各論18・レントゲンで白くなる病態12・べったりと白くなる連続性の陰影・すりガラス影の定義

すりガラスの性質としては、光をある程度通すものの、不透明であるため向こう側がハッキリとは見えない、ということになります。


  • 浴室

  • トイレ

  • 面談室



などにすりガラスを使う目的は、まず第一にプライバシーを守る、というところだと思います。しかし、プライバシーを守るだけであれば、わざわざすりガラスにしなくても、ただの板でも良いわけです。


そこをあえてすりガラスにする理由。
いつも学生さんに尋ねるのですが、正解が出るのは半分ぐらいでしょうか。






一つは採光、という面があります。でもそれだけではない。もう一つ、おそらくもっと大切な理由は何でしょうか。



そうです。

「使用中かどうかが外からわかる」ということです。
(正解でしたか?)


上に挙げたような、プライベートな空間は、むやみやたらにドアを開けられたり(カギがかかっているにしても…)、ノックされたり、ということも避けたいものです。従って、外から一目見て「使用中である」ことがわかる、すりガラスが使われているのです。あと、電気がつけっぱなしかどうかわかる、というのも無視できない理由でしょう。



学生さんの答えで、「あまり見えない方がムード?が出るから」といわれたことがありました…(若いな〜)。あながち的外れではありません!?が、この場合の正解とはなりません。



長々とイランことを書きましたが、ここで本題に戻ると、すりガラスの本質は、

「不透明だけれども、向こう側にあるものの存在は認識できる」

ということではないかと思うのです。



同様に、すりガラス影の性質としては

「白い陰影だけれども、向こう側にあるもの(=血管)の存在は認識できる」

ということになるでしょう。


5すりガラス影では向こうにある血管が見える.jpg


エピソードと共に覚えていただくと、忘れにくいと思います。


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posted by 長尾大志 at 18:34 | Comment(0) | 胸部X線道場
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