今日は症例問題ではありませんので、早速、選択肢について考えましょう。
×a 肺気腫は肺胞が破壊されて、呼気時に閉塞性障害が生じ、肺の中にだんだん空気が溜まってくることで過膨張を来すものです。結果、最大呼気位でも吐ききれない空気(=残気量)は増加します。
○b 肺コンプライアンスとは肺の柔らかさを表すので、高いと肺は柔らかい、低いと硬いということになります。肺線維症では肺は硬くなるため、コンプライアンスは低下する、ということになります。
×c 肺動静脈瘻は、動脈と静脈が毛細血管を介さずに直接接続し、肺内のシャントによって低酸素血症になるものです。肺胞の病気ではないので、拡散能は低下しません。
×d 呼吸筋麻痺が生じると、換気量が低下します。しかし、肺胞は影響を受けないため、換気血流不均等分布は生じません。
×e 肺血栓塞栓症は血管が閉塞する病態ですから、気道が閉塞することによって生じる1秒率の低下は起こりません。
リンク先には詳しい説明がありますので、物足りない方はその項目をお読みください。
医師国家試験過去問(呼吸器系)つまずきポイント徹底解説を全部読む
2013年02月22日
第107回医師国家試験呼吸器系問題解説・疾患と呼吸機能異常との組合せ・解答と解説
posted by 長尾大志 at 12:35
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