なぜか。国試問題解説、その他の記事を書いていて、特に間質性肺炎や線維化については機序のところを理解していただかないとどうも話がしにくい、ということがあります。ちゃんと説明していないよな〜、とストレスが溜まっていたので、ここらで重い腰を上げ、説明を試みることにしました。
前回シリーズで(だいぶ前…汗)間質性肺炎はすりガラス影を呈する、と申しました。実はこの「間質性肺炎」という状況は間質(肺胞隔壁)の浮腫を見ていることが多いのですが、浮腫というぐらいですから、−原因にもよりますけれども−可逆性があるわけです。

原因によって、抗菌薬や抗ウイルス薬であったり、ステロイドであったりするわけですが、そういう治療で元に戻る可能性があるわけですね。
ところが、間質性肺炎ではしばしば、線維化が起こってきます。炎症部分に繊維芽細胞(fibroblast)がやってきて、膠原線維を産生するのです。線維はできたてホヤホヤの段階では水を含んでいますが、やがて乾燥して?カチカチになる。そのときにぎゅっと縮んでくるのです。
ここ、理解しにくいところですから、念入りにやりましょう。
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