序文を書いていますが、書きたいことが多すぎてなかなかまとまりません。
思えば平成17年に滋賀の地に来て、はじめて滋賀県に呼吸器内科医がほとんどいない現状を目の当たりにしたのです。以来、臨床、教育に頑張ってきましたが、自分一人が助けることができる患者さんの数が限られている、遠方の患者さんにできることが少ないことに忸怩たる思いを抱いていました。
大学で医師の卵たちの教育に携わっているうちに、自分の持っている知識を多くの医師の卵に伝えることで、より多くの患者さんの助力にならないか、「教育こそが医療崩壊を防ぐ王道ではないか。」と考えるようになってきました。
毎日毎日、講義やポリクリ、日常臨床での指導を繰り返していると、多くの人がつまずく、理解しにくいポイントというものが見えてきます。
そして思い出してみると、自分自身がかつて理解できなかったポイントも、およそ同じようなところでありました。いざそういうところを質問されて教えようとすると、理解不足であったり勘違いしていたりで、満足に教えられないこともあり、その都度教科書や文献、資料などにあたって調べるようにしていました。
そうしていると自分の理解が深まるからか、だんだんと「こう教えたらわかってもらいやすい」「このたとえは入りやすい」という具合に教えるポイント、コツがわかってくるものです。
それをテキスト化すれば、多くの人に見ていただけるのではないか。
この本の内容は、私が常日頃指導しているレジデントの先生方が、よく「ん?これどういうことだろう?」「何でだろう?」と引っかかりやすいポイントをしっかりと芯から理解していただけるように解説しているものです。また、学生さんに指導している内容も結構含まれています。かなり高度な内容ですが、かなり噛み砕いていて、ウチ出身の学生さんはかなりレベルが高い、その秘密の一端がおわかりいただけると思います。
ですから、学生さんや専門外の先生方、あるいはコメディカルの方々でも、「呼吸器がイマイチよくわからないけど、気軽に尋ねられる人がいない」ときに大変役に立つと思います。多くの方々がしっかりと呼吸器の知識を身につけられて、少しでも多くの患者さんが正しい医療を受けて頂ければ、これに勝る喜びはありません。
2013年03月03日
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