2013年03月21日

肺胞洗浄液の構成成分とその意義・肺胞洗浄液の成分についての話は置いといて、過敏性肺炎の典型的画像は「粒状影」なのか、「すりガラス影」なのか?

過敏性肺炎の機序は、吸入した(カビなどの)抗原によって、肺胞領域の間質にV型、W型のアレルギーが起こり、「そのエリアに」間質性肺炎が生じるものです。


そのエリア、というのが、気管支を通ってやってきた抗原が細気管支(の出口?)から肺胞内に散らばった場所、すなわち気管支末端付近の肺胞にあたります。そのあたりに間質性肺炎が生じるのです。


普通の?間質性肺炎では、肺胞領域の変化は連続性に生じるため、陰影も連続性なのですが…


30連続性に生じている間質性肺炎.JPG


過敏性肺炎(特に急性、亜急性の、アレルギーが起こりたてホヤホヤの時期)では、気管支末端付近の肺胞に間質性肺炎が生じます。


31過敏性肺炎では「この辺」に間質性肺炎が.JPG


「その辺」は小葉の中心部にあたるため、陰影としては小葉中心部に「飛び飛びに」「すりガラス影」が見られるわけです。小葉…覚えておられるでしょうか。


32小葉構造.JPG


こんな感じで病変ができる、ということです。


33小葉の中心部に飛び飛びに病変が.JPG


まとめると、細気管支周囲の肺胞に飛び飛びに間質性肺炎が生じるために、「小葉中心性に」「粒状に(飛び飛びに、の意)」分布するすりガラス影が見られる、というわけです。


34小葉中心性のすりガラス影.JPG


ここんとこ、ちゃんとわかっている人、それほど多くない印象です。


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posted by 長尾大志 at 13:26 | Comment(0) | 胸部X線道場
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