2013年03月25日

難病患者さんの肺炎に対する抗菌薬治療1・耐性菌を作り出さないために

ポリクリのない、春休み期間もあと1週間。ということは、依頼原稿を書ける時間がとれるのもあと1週間ということになります。時の経つのは早いもの。facebookには書きましたが、家中がインフルエンザのために春休みもあって無きがごとしでした(私は幸いかからずでしたが)。


ということで少し前に頂いた執筆依頼、そろそろ締め切りも近く、書き始めなくてはなりませんので、ちょっと準備に取りかかりたいと思います。よければお付き合いください(最近同じことばかり書いている気もしますが…)。


今回は、「難病患者さんの肺炎に対する抗菌薬治療」というタイトル。


難病の患者さんにおかれましてはADLの低下や誤嚥、それに免疫力の低下などの状況により、肺炎にかかられることが少なからずあるように見受けます。これまでにも肺炎の抗菌薬治療に関しては何度か述べて参りましたが、このたびは、もう少しコメディカルの方々、難病患者さんの介護に当たられる方々に向けて、難病患者さんの肺炎の抗菌薬治療について、まとめさせていただく機会を頂きましたので、ご紹介していきたいと思います。




色々な状況の違いはあれど、基本的に「肺炎」という疾患は、通常は無菌状態である肺の中に細菌が入ることで起こります。その細菌を退治するために抗菌薬を用いるのですが、抗菌薬には実に多くの種類があり、どの細菌に効果があるか(スペクトラム)が異なります。


「色々な菌に効く=広域スペクトラムの」抗菌薬を濫用すると、必ずその抗菌薬が効かない菌(=耐性菌)が誘導されてきます。もちろん患者さんの治療に必要な場合(その抗菌薬でないと効かない菌がターゲットの場合)には、広域スペクトラムの抗菌薬を使うべきですが、不必要な場面で広域スペクトラムの抗菌薬を使用する(=不適切に抗菌薬を用いる)と、「耐性菌」を誘導してしまうのです。耐性菌というのはMRSAが有名ですが、MRSA以外にも今や色々な種類の耐性菌が生み出されてきていて、問題となりつつあるところです。


したがって、肺炎治療の際には「どの菌をターゲットとして治療すべきか」ということを考えて抗菌薬を選択する必要があり、そのあたりを専門外の先生方にも無理なく行っていただけるように、肺炎のガイドラインが定められているのです。


とはいえ、ガイドラインにも市中肺炎(community acquired pneumonia:CAP)、院内肺炎(hospital acquired pneumonia:HAP)、医療・介護関連肺炎(NHCAP:nursing and healthcare-associated pneumonia)の3冊があり、全てを読むのも大変ですので、今回はガイドラインに共通している、基本的な考え方をかみ砕いてご紹介します。


* 難病と在宅ケア(7月号)に改変の上掲載予定

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posted by 長尾大志 at 13:21 | Comment(0) | 肺炎ガイドライン解説
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