「医療・介護関連肺炎」の場合にも、在宅で過ごしておられる方は基本的に同様の菌が肺に入ると考えられますが、下の表のような状況の患者さんは、原因菌が薬剤耐性菌である可能性が高いと考えられます。
耐性菌に対しては使用すべき抗菌薬もランクアップするため、以下のような状況の患者さんは特別扱いとなります。
- 過去90日以内に広域抗生剤が投与された
- 経管栄養を施行している
- 過去に鼻腔や口腔などからMRSAが分離された(MRSAのリスク)
薬剤耐性菌:
- 緑膿菌
- アシネトバクター
- ESBL〈基質特異性拡張型βラクタマーゼ〉産生腸内細菌
- MRSA
- ステノトロフォモナスなど
それ以上細かく菌を推定することは現実的には困難で、また、抗菌薬の使い分けという点からもそれほど意味がないので、この原因菌を想定するにあたっては、この「耐性菌がいそうかどうか」が最も重要な区分けになります。
* 難病と在宅ケア(7月号)に改変の上掲載予定
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