2013年04月01日

難病患者さんの肺炎に対する抗菌薬治療6・肺炎の具体的治療の流れ3・推定原因菌にあった抗菌薬を投与1・軽症患者の抗菌薬選択

ここまで知って頂いた上で、まず外来治療で良い、比較的軽症な患者さんの治療を考えましょう。この場合、原因菌は耐性菌のリスクも少ないであろうとして取り扱います。


具体的なターゲットは肺炎球菌・インフルエンザ菌・MSSA・クレブシエラ・クラミドフィラ・ウイルスなどを想定します。抗菌薬の選択は、比較的狭域スペクトラムで、耐性菌リスクの少ないものを選びます。外来治療になると必ずしも毎日医師の診察を受けられないこともありますので、非定型菌もカバーしておきます。


そして外来治療なので、基本経口薬を選びますが、ここで便利なのはセフトリアキソン(セフェム系注射薬)。注射薬なのですが1日1回の注射できっちり効果を現しますので、外来治療に適しているのですね。


逆に言うと、これ以外の注射薬を外来で1日1回、とかいう使い方をするのは効果が期待できない、ナンセンスである、というか経口薬の方がよい、ということになります。基本、注射薬は入院で、1日2回以上の投与で使うものです。


なお、キノロン系やマクロライド系などで、1日1回投与でよい、とされる注射薬もありますが、それらの薬剤は重症肺炎例で使用が推奨されているものです。


軽症患者さんの抗菌薬選択

  • アモキシシリン/クラブラン酸またはスルタミシリン経口薬+マクロライド系経口薬

  • セフトリアキソン注射薬+マクロライド経口薬

  • レスピラトリーキノロン経口薬



全国的にうんざりするほど頻用されているレスピラトリーキノロン、特にレボフロキサシンは嫌気性菌には効果が弱く、誤嚥があると考えられる症例には避けた方がよい、と明言されています。


* 難病と在宅ケア(7月号)に改変の上掲載予定

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posted by 長尾大志 at 12:13 | Comment(4) | 肺炎ガイドライン解説
この記事へのコメント
オフロキサシンやレボフロキサシンは、市中の耳鼻科医さんが、「これでもか!」というくらい、処方箋をきってきます。
そして、効果がイマイチな例をよく見ます。
嫌気性菌には、効果がイマイチなんですね。勉強になります!
Posted by 医学生@調剤薬局 at 2013年04月02日 18:47
そもそもですが、抗菌薬の強さというか、「切れ味」は、結局ペニシリンが一番強いんですよね…。スペクトラムがあたっていれば。

クラバモックスを出している○○科さんは良心的、もっと言えば、多少の中耳炎、副鼻腔炎に抗菌薬を出さない○○科さんはもっとも良心的。でも、それで一部の(あくまで一部)患者さんに「効かない」と文句を言われたり、「あそこはヤブ」とか言われたりする。難しいですよね。
Posted by 長尾 大志 at 2013年04月02日 21:14
先生のブログを拝見して勉強させていただいていることもあります。
しかし、ちょっと抗菌薬に関して疑問もあるので、訂正いただけると助かります。
確かにアンピシリン・スルバクタムの経口錠剤はあるのですが、より一般的なものはアモキシシリン/クラブラン酸になります。
βラクタマーゼ阻害薬の働き方として、スルバクタムとクラブラン酸とは明確に異なる点もありますのでお知りおきいただけるとより読者の皆様の勉強になってよいかと思います。
このコメントは掲載いただかなくてかまいませんので。
よろしくお願いいたします。
Posted by まちかど感染症科医 at 2013年04月18日 02:07
ご指摘ありがとうございます。以前のNHCAPの記事ではちゃんと書いていたのに、この時は何を思ったのでしょうか…??訂正させていただきます。

スルバクタムとクラブラン酸の働き方の違い、また勉強して記事にしたいと思います。本当にありがとうございました。
Posted by 長尾 大志 at 2013年04月18日 10:35
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