具体的なターゲットは肺炎球菌・インフルエンザ菌・MSSA・クレブシエラ・クラミドフィラ・ウイルスに加え、耐性菌として緑膿菌・アシネトバクター・ESBL(基質特異性拡張型βラクタマーゼ)産生腸内細菌・MRSA・ステノトロフォモナスなどが想定されています。
抗生剤の選択では、中等症群のペニシリン、セフェム、またはカルバペネムのいずれかに加えて、非定型病原体も確実にカバーするためにキノロン、マクロライドを併用する、という使い方になります。
- ペニシリン系:タゾバクタム/ピペラシリン注射薬
- セフェム系:セフェピム注射薬+クリンダマイシンまたはメトロニダゾール注射薬
- カルバペネム系注射薬
のいずれかに、
- パズフロキサシン、シプロフロキサシン注射薬
- アジスロマイシン注射薬
を加える、
という感じです。もちろん、MRSAのリスクがある場合には、抗MRSA薬も併用することとなっています。
以上、簡単ではありますが、難病患者さんが肺炎にかかられたときの抗菌薬治療について、エッセンスをまとめました。お読みの皆さんの参考になれば幸いです。
* 難病と在宅ケア(7月号)に改変の上掲載予定
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