2013年05月23日

データの解釈18・膠原病、血管炎と自己抗体

さて、膠原病が出てきたところで、例のアレ問題を取り上げないわけには参りません。


例のアレとはもちろん、自己抗体の話です。さんざん同じことを言うてますけど、膠原病やら血管炎を疑ったときには、自己抗体を測定するのが定番になっています。これはOK。


この時に順番を間違えてはアキマセン。膠原病やら血管炎を疑ったときに、疑った膠原病や血管炎に対応する自己抗体を、測定するのですよ。



たまに見かけるのが、なんかよくわからない〜手当たり次第に知ってる抗体を全部測定〜陽性になったのを見てそれから考える、というもの。


これをやっている人は、まあ、それなりの思考回路ですね。
もちろん、どんどん悪化している、測定にも時間がかかる、一つ一つ待っている暇はない、検査を出すだけ出しておいて早くステロイド投与したい…そういう状況もあるでしょう。



ですから、これはあくまで思考過程の問題。どれだけ矜恃を持って鑑別を考えていくか、そういう姿勢のことを言っています。


膠原病や血管炎は、全く症状がそろわないことも決して珍しくありませんが、多くの場合にはそれっぽい症状、というものが出てくるのですね。それから推測される鑑別診断を「確認する」ために抗体を測定する、という感じ。



特に、比較的特異性の高い症状、所見は鑑別診断のカギとなります
例えば…


  • 左右対称に生じている多発関節炎:RF、抗CCP抗体

  • 乾燥症状、環状紅斑:抗SS-B抗体

  • 中途半端に重複する膠原病症状、肺高血圧:抗U1RNP抗体

  • 頑固な上気道の炎症に引き続いての発熱、喀血や肺の結節:PR3-ANCA

  • 喘息を基礎に持つ頑固な炎症症状、神経症状:MPO-ANCA



などなど。他にも色々とありますが、こんな感じで考えられるようになると、臨床が楽しく、興味深くなるはずです。


データの解釈を最初から読む

トップページへ

posted by 長尾大志 at 18:04 | Comment(0) | データの解釈
この記事へのコメント
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス: [必須入力]

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。