一口に言ってしまうとそういうことなのですが、実は小葉中心性粒状影といっても、機序によって陰影は微妙に異なったりしてしまうのです。大変ですが、少しずつ理解していきましょう。
まず代表的なやつ、教科書で良く典型例として出てくるやつです。細気管支そのものに炎症がある、細気管支炎という病態です。
小葉構造の拡大図(血管系は省略)をもう一度見てみましょう。細気管支は小葉の中心部で終わっています。細気管支は直径が0.5mmで壁の厚さは随分薄くなりますので、CTで細気管支は見えません。
ここで細気管支が炎症を起こしますと、細気管支の壁が厚くなったり、細気管支内に粘液が貯留したりします。そのため、細気管支が0.5mm以上の大きさの構造物となり、今まで見えていなかったものが可視化します。それが異常影=粒状影として認識される、ということです。
小葉の中心部中心部、と今までさんざん書いてきたのですが、実際には、細気管支は小葉のど真ん中でなくなっているわけではなく、もう少し分岐があったりします。
小葉1個に対して粒が1個、というわけではなく、1個の小葉に複数の粒状影、あるいは分岐するような構造が見られるのです。
これを書くとややこしくなるかな〜とあれこれ思い悩んだのですが、ここは端折るべきではない、と思い直しまして、あえて書かせていただく次第です。
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