このような小葉中心性粒状影の代表例として良く挙げられるのは、びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)という疾患です。細気管支のあるところ=肺の端から数mm離れたところですから、肺の1番外縁部から数mm離れたところに、飛び飛びの白い陰影(粒状影)が生じます。
拡大して見れば見るほど、単純な粒の形はしておりませんね…。細気管支周囲の肺胞にも炎症が及ぶと、小葉中心部にある少し大きめの結節として見えることもあります。
また、細気管支の周囲にできた小さな結節病変と、分岐する細気管支の陰影をして、「枯れ木に花が咲いたような」tree-in-bud(bud=つぼみ)という何だか文学的な表現をすることがあります。ただこのあたりの言葉の意味も少しずつ変わってきており、議論のあるところでもあるようで、あまり強調することは止めておきます。

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