過敏性肺炎とは、吸入して気管支を通ってやってきた(カビなどの)抗原によって、細気管支の出口から肺胞内に散らばった場所、すなわち気管支末端(=小葉中心部)付近の肺胞間質にV型、W型のアレルギーが起こり、その結果「そのエリアに」間質性肺炎が生じるものです。
特発性などの間質性肺炎では、肺胞領域の変化は連続性に生じるため、陰影も連続性なのですが…
過敏性肺炎(特に急性、亜急性の、アレルギーが起こりたてホヤホヤの時期)では、気管支末端付近=小葉中心部の肺胞に間質性肺炎が生じます。

そのため、陰影としては小葉中心部に「飛び飛びに」「すりガラス影」が見られるわけです。
まとめると、細気管支周囲の肺胞に飛び飛びに間質性肺炎が生じるために、「小葉中心性に」「粒状に(飛び飛びに、の意)」分布するすりガラス影が見られる、というわけです。
教科書的にはこちらの陰影も「小葉中心性粒状影」に含めて書かれていることがあります。あるいは「小葉中心性すりガラス影」と表記されているものも。
昨日書いた小葉中心性粒状影とは、機序が全然違うために陰影の性状も異なります。昨日のものは分泌物や実質の炎症であり、すりガラスよりも濃い、水濃度の(飛び飛びの)陰影になります。そのため、個人的には同じ用語を使うのは違和感があるので、「小葉中心性すりガラス影」の方がしっくり来ると思っています。
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