気管支は肺動脈と常に併走しています。この2つの脈管を(電気のコードみたいに?)束ねている結合組織、ないし気管支と肺動脈を合わせて、気管支血管束と呼んでいます。このキーワード、時々出てきますので覚えておきましょう。気管支血管束は小葉中心部を走ることになります。
それに対して肺静脈は、小葉内の肺胞でガス交換されきれいになった血液を回収すべく、小葉の周り、小葉間隔壁、胸膜内に存在します。

気管支血管束、小葉間隔壁、胸膜のいずれにもリンパ管が網の目のように張りめぐらされています。この3つの構造物は比較的結合組織のような間質成分が多く、「広義の」間質=広義間質、と呼ばれています。
肺における本来の間質=狭義間質は、肺胞上皮と隣の肺胞上皮をくっつける接着剤的なところであります。この狭義の間質と、広義間質をごっちゃにしてしまうともう何が何やらわからなくなってしまいますから、注意して下さい。

普通は、狭義の間質を単に「間質」と呼び、広義の方を「広義間質」と呼んで区別しています。まあ言葉本来の意味だと、広義の間質は狭義の間質を含むことになってしまいますが、肺の間質を指す場合には全くの別物であることを強調しておきたいと思います。
(狭義の)間質≠広義間質
ともかくリンパ管は、小葉の中心部、ならびに辺縁部に存在する広義間質のあるところに存在する、こう理解しましょう。
ですから、リンパ系がやられる疾患、リンパ系に病変が出来る疾患では、この広義間質が存在感を増してくることになります。これはCTで捉えることが出来る病変なのです。
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