とはいえ、よく見かける二次結核で、典型的な所見というものはあり、HRCTを使うことでかなりそのあたりの理解も進んでいますので、典型像に触れておきましょう。
主病巣として空洞を形成する結節影・腫瘤影〜浸潤影、そしてその周囲に小葉中心性の粒状影、tree-in-bud所見などが見られます。
いずれも気管支〜細気管支に存在する病変(乾酪壊死を伴う肉芽腫、滲出性病変など)を反映します。壊死した物質が気管支から流れ出すと空洞を形成しますから、空洞の存在は気管支関連の病変であること、病変部に壊死があることを表すのでしたね(既出です)。
その主病変から菌が排出される過程で他の部位に再吸入されると、細気管支に「散布」されるようになります。散布された病巣は細気管支〜肺胞道内に乾酪物質を充満させてパンパンに張り、細気管支の可視化=tree-in-budが起こります。
そんなわけで、大きめの主病変+その周囲(もしくは他の葉)に広がる散布巣=小葉中心性粒状影、という所見が見られるわけです。



ちなみに、粟粒結核は全く異なる機序ですから、全く異なる陰影になります。あれは血流に乗ってばらまかれた先で肉芽腫病変を作っておりますので、粒の大きさも、形も異なりますし、気管支の陰影も見られません。詳しくはまた項を改めて、説明したいと思います。
胸部CT道場に入門する