一口に肺非結核性抗酸菌症といっても、菌の種類はたくさんありまして、各々微妙な違いもあるのですが、ここでは症例の大多数を占めるMycobacterium avium complex(MAC)症とMycobacterium kansasii症を取り上げましょう。
まずMAC症。分類として中葉舌区型(結節・気管支拡張型)と結核類似型(空洞・破壊型)とに分けられます。
- 中葉舌区型
中葉・舌区中心に、気管支拡張(tram line、これも改めて説明する必要がありますね( ̄▽ ̄;))〜細気管支病変を反映した小葉中心性粒状影、tree-in-bud所見を認めます。しばしば陰影は融合して浸潤影を形成します。 - 結核類似型
結核に似た、空洞を伴う結節+小葉中心性粒状影を呈するパターンです。
特にMAC症で特徴的に見られる像として、天理よろづ相談所病院の田中先生に教えて頂いたのが、胸膜直下の結節の集合体〜所属する気管支の拡張と胸膜の肥厚像。
菌を吸引して胸膜直下に出来た病変が、胸膜に沿ってべったりと拡がり、かつ気管支に沿って中枢方向に進展していくことで出来る陰影です。確かにMACの時、よく見かけるんですね。


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