2013年06月17日

胸部CT道場19・飛び飛びに白くなる陰影15・粒状影のいろいろ14・小葉中心性粒状影を来す疾患の鑑別4・マイコプラズマ肺炎

週があけたので、再度小葉中心性粒状影の主な鑑別疾患を挙げておきましょう。

  • 肺結核

  • 肺非結核性抗酸菌症

  • マイコプラズマ肺炎

  • 気管支肺炎

  • びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)

  • 真菌症

  • ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis:LCH)

  • 珪肺

  • 濾胞性細気管支炎

  • 細気管支肺胞上皮癌(bronchioloalveolar carcinoma:BAC)

  • HTLV-1関連肺疾患



今日はマイコプラズマ肺炎の陰影を取り上げます。


マイコプラズマ肺炎は市中肺炎の中でも若年者、基礎疾患のない、activityの高い、学校に行っている集団に多く発症します。市中肺炎ガイドラインに記載があるように、激しい空咳が特徴ですが痰は少なく、ラ音も聞かれません。


なぜか。病変の主座は気管支〜細気管支の線毛上皮で、結核や非結核性抗酸菌のように乾酪物質が気道内を満たす、とか、気道がパンパンにふくれる、とかいうことはありません。また、肺実質で浸出液→膿性痰形成、ということも起こりません。肺胞領域にも炎症は及ぶものの、それは間質部分(肺胞隔壁)主体になります。


そういうわけで、分泌物なし→痰が少ない、気道上皮の炎症→刺激により空咳が出る、と説明されています。


35気管支〜細気管支壁の肥厚像(滲出物なし).jpg


特に上皮周囲の広義間質に炎症が波及することで、気管支〜細気管支の壁が肥厚してみられる、ですから分岐する陰影が目立つ、ということと、周囲の狭義間質肥厚により、すりガラス影が生じる、これらの所見が組み合わさって見られます。


すりガラス影は病初期、変化が軽度な部分では気道周囲主体なので、小葉中心性のすりガラス影、といった趣ですが、強くなってくると癒合してべったりとしたすりガラス影〜浸潤影になります。


36気道の肥厚像(滲出物なし)+すりガラス影.jpg


ですから結核の陰影よりも薄く、柔らかい?印象の陰影です。小葉中心性すりガラス影に近い粒状影と言えるでしょう。


37マイコプラズマ肺炎.jpg


38マイコプラズマ肺炎.jpg


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posted by 長尾大志 at 19:49 | Comment(0) | 胸部CT道場
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