- 肺結核
- 肺非結核性抗酸菌症
- マイコプラズマ肺炎
- 気管支肺炎
- びまん性汎細気管支炎(diffuse panbronchiolitis:DPB)
- 真菌症
- ランゲルハンス細胞組織球症(Langerhans cell histiocytosis:LCH)
- 珪肺
- 濾胞性細気管支炎
- 細気管支肺胞上皮癌(bronchioloalveolar carcinoma:BAC)
- HTLV-1関連肺疾患
今日はマイコプラズマ肺炎の陰影を取り上げます。
マイコプラズマ肺炎は市中肺炎の中でも若年者、基礎疾患のない、activityの高い、学校に行っている集団に多く発症します。市中肺炎ガイドラインに記載があるように、激しい空咳が特徴ですが痰は少なく、ラ音も聞かれません。
なぜか。病変の主座は気管支〜細気管支の線毛上皮で、結核や非結核性抗酸菌のように乾酪物質が気道内を満たす、とか、気道がパンパンにふくれる、とかいうことはありません。また、肺実質で浸出液→膿性痰形成、ということも起こりません。肺胞領域にも炎症は及ぶものの、それは間質部分(肺胞隔壁)主体になります。
そういうわけで、分泌物なし→痰が少ない、気道上皮の炎症→刺激により空咳が出る、と説明されています。

特に上皮周囲の広義間質に炎症が波及することで、気管支〜細気管支の壁が肥厚してみられる、ですから分岐する陰影が目立つ、ということと、周囲の狭義間質肥厚により、すりガラス影が生じる、これらの所見が組み合わさって見られます。
すりガラス影は病初期、変化が軽度な部分では気道周囲主体なので、小葉中心性のすりガラス影、といった趣ですが、強くなってくると癒合してべったりとしたすりガラス影〜浸潤影になります。

ですから結核の陰影よりも薄く、柔らかい?印象の陰影です。小葉中心性すりガラス影に近い粒状影と言えるでしょう。


胸部CT道場に入門する